私は、自分自身がやりたい音楽をやるために曲を書いています。
それが偶然、太鼓だったわけで、私がピアニストだったならピアノで、
シンガーソングライターだったなら、ギターと声と言葉で曲を作ったと思います。
今回の作品は、太鼓を知らない若い世代の方々にも、
面白がってもらえるものにしたいと思っています。
太鼓を観たことがない、聴いたことがないという方が持つ
「太鼓ってこんなものでしょう」という固定概念を打ち破りたいんです。
私も26歳です。
私は自分と同世代の皆さんに、いきなり日本の伝統芸能や
郷土芸能を深く学び知ってもらいたいとは思っていません。
ただ、自分が感じている太鼓のかっこよさを、
1つの新しい音楽として、皆さんに発信したいと思っています。
この「巡」という作品は、ほとんどが私の作曲したオリジナル曲で構成されています。
リズムアンサンブルやメロディーのある曲、西洋音楽的なアプローチの曲もあれば、
郷土芸能や民族音楽を取り入れた曲もあります。
26歳の等身大の自分が、日本の郷土芸能や世界の民族音楽を耳にして、
単純にかっこいいと思ったグルーヴやフレーズを、エッセンスとして自分の曲に取り込んでいます。
そこには、ドラムの16ビートや、4つ打ちのダンスミュージックとはまた違う、独特のノリが存在します。
太鼓の音色や余韻によって、さらに増幅されたグルーヴは、
どんな音楽にもない深い「うねり」となり、皆さんの心と体、そして魂を揺さぶるはずです。
単純にかっこいいかどうか、気持ちよく聴けるかどうか、踊れるかどうか。
そういった直感的なことからで構いませんので、
インストのライヴに足を運ぶような気軽さで、
ぜひ観に来てもらいたいです。
とにかく、理屈抜きで感じてもらえるような作品を目指して、
11月の初日に向け、より磨きをかけていきます。
「巡 -MEGURU-」演出・住吉佑太(鼓童)