『巡』には故郷の風景も描かれていると思います/山脇千栄インタビュー

Photo: Ryotaro Leo Ikenaga

聞き手:伊達なつめ(演劇ジャーナリスト)

今年、正メンバーになりました。太鼓は小学校2年の時から始めていたので、研修生のころまでは、過去に積み重ねてきたものをもとに自信満々で叩いていたんですが、準メンバーになったら、いきなり何もできていないことに気づいて戸惑いました。太鼓の撥を振り下ろすたびに「それ違う」と言われ、先輩の音を聴かせてもらいながら、繰り返しやっているうちに、最近やっと、撥のタッチや音の違いがわかってきた感じです。

Photo: Takashi Okamoto

私には子どものころからの習慣で「打っている自分を見てもらう」という感覚がまとわりついていたんですが、今の目標は、とにかく「いい音を届ける」。これに尽きます。太鼓の音にはひとりひとり個性があって、聴いただけで「(中込)健太さんの音」「(蓑輪)真弥さんの音」ってわかるようになるんですが、私も早く、そういういい音を出せるようになりたいです。

『巡』は、特に「巡Ⅱ」など、佑太さんらしい乗れる曲が多いですね。

Photo: Takashi Okamoto

私は風鑼を担当しているんですが、MVに出てくる佐渡や、地元の香川県三豊の風景を思い浮かべながら演奏しています。

Photo: Erika Ueda

三豊は山と、遠くまで見渡せる平野もあって、空がすごくきれいな、ほんとにいいところなんですよ。(同じ三豊出身の)佑太さんは、きっと三豊の風景を想像しながら曲を創ったんだと思います。

Photo: Ryotaro Leo Ikenaga

このあいだ「そうですよね」と確認したら、「いや、それはない」って言われたんですけど(笑)、いえ、きっと無意識のうちにイメージしているはずです。

Photos: Takashi Okamoto, Ryotaro Leo Ikenaga, Erika Ueda

 


山脇千栄

Chie Yamawaki

2015年研修所へ入所。2017年より準メンバー、2018年より正式メンバー。舞台では主に、太鼓、笛を担当。2017年「佐渡宿根木公演」、「若い夏」、「交流公演」出演。2018年エジプトでの「Japanese Drums Concert」に出演。

山脇千栄プロフィール
https://www.kodo.or.jp/meguru/member/chieyamawaki