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五月田の輝き/船橋裕一郎
五月田の輝き
この度の熊本地震につきまして、早期の終息と状況の改善を心から願っております。私も度々訪れた地や友人知人の被害状況を聞き、今後少しでもお力添えが出来るような動きをしていきたく、皆様の活力をより増幅できるような、舞台や音を届けていけるよう頑張ってまいります。
佐渡は、田植えの季節となりました。冬の寒さにより固められ、太陽からの養分を得た土に一気に水を張り巡らされ、キラキラと美しい景色が広がります。とはいえ、先月もお伝えしたように、今月は、来月のものから来年のものまで、いくつもの作品を作り上げている過程です。正直に申しますと美しい景色をゆっくりと眺めている余裕はあまりないのですが、通勤や買い物の際に普通にこの景色をみることのできる幸せを感じます。
能楽師・津村禮次郎先生によるお稽古
さて、来年の春に上演予定の「幽玄」という作品は、能を中心に日本の古典から着想を得て、作品作りを始めております。能のシテ方の歩みのようにゆっくり、ゆっくりと作品作りも進行しており、稽古終了時、皆が一斉におおきなため息をつくほど、張りつめておりますが、これまでにない作品になる実感と充実感、また古典から得られる新たな発見と学びを日々感じております。
また、「若い夏」では鼓童の結成当初からの演目を若いメンバーが基礎の基礎から学ぶべく朝早くから夜遅くまで必死の稽古をしております。
「35周年記念コンサート」にむけては、ゲストをお迎えしての稽古となりました。
5年目を迎えた「佐渡宿根木公演」では、改装された宿根木公会堂で、見留知弘の構成演出で行われ、沢山のご来場を頂きました。
鼓童の活動は多種多彩ですが、足下を固め、多くのものを吸収しながらグループが進んでいく姿は、美しい田に重なるように思います。日々の取り組みに真摯に向き合いたいと思っております。
太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎
必要不可欠なチカラ/漆久保晃佑
必要不可欠なチカラ
皆様いかがでお過ごしでしょうか。
佐渡、宿根木で行われております「鼓童佐渡宿根木公演」はお陰様で連日たくさんのお客様にご来場頂いております。本当に嬉しい限りです。
さて、そんな宿根木公演ですが、普段のワンアースツアーや交流学校公演とは一味違う佐渡ならではの公演となっております。
必要不可欠なチカラ、
そうです。
この宿根木公演、鼓童研修所2年生の研修生達も毎公演お手伝いをしてくれています。
普段の劇場公演ではやらない公演パンフレットの挟み込み、劇場に行けば劇場に勤務されている方々がやってくれている表周りのの掃除等々…
彼らがいるからこそ私たちも舞台上で表現活動ができております。そんなたくさんのチカラが結集した佐渡宿根木公演も残り本日の2公演です。研修生達の勇姿も観れるかも?
鼓童佐渡宿根木公演2016 -春-
http://www.kodo.or.jp/news/20160429sadoshukunegiperformance_ja.html
2016年4月29日(金・祝)〜5月5日(木・祝)新潟県佐渡市 宿根木公会堂(5月2日(月)は休演)
鼓童チケットサービス Tel. 0259-86-2330 (月〜金 9:30〜17:00)
e+(イープラス)http://eplus.jp
ご挨拶/船橋裕一郎
2016年を迎え、私たち鼓童は35周年という節目の年を迎えました。
昨年は『神秘』『道』『永遠』『アマテラス』『打男』『混沌』『交流学校公演』『佐渡特別公演』また、様々なジャンルの方々との共演~アース・セレブレーション、『モノプリズム』『輝夜姫』、バリ島での公演などもあり、振り返れば多種多彩、あっという間の1年でした。
芸術監督4作目『混沌』では、ドラムセット三台をはじめ新たな表現に挑戦しました。様々なものを学び、新しいものに触れることで、己をさらに深く知ることの必然性、必要性を感じ、鼓童の舞台表現のさらなる発展が感じられる作品となりました。
玉三郎さんは、この稽古期間中に「『今』を全力でやってきたら、ここまであっという間でした。今もそうです」と仰いました。芸の世界で半世紀以上を過ごされた方の言葉に、鼓童が50年、100年先の未来に向け、この瞬間に全身全霊を注ぎ、太鼓の音をさらに響かせていこうと改めて思った次第です。
本年もまた、新作や再演も含め、多彩な公演を予定しております。佐渡宿根木公会堂での「佐渡宿根木公演」、サントリーホールでの三夜、浅草公会堂の『若い夏』、そして『螺旋』『アース・セレブレーション』も新たな試みを模索いたします。
理念と歴史を振り返りつつ、私たちの『今』この瞬間の音を是非体感して頂きたく、引き続きのご支援、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
太鼓芸能集団「鼓童」代表 船橋裕一郎