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旅の中で/船橋裕一郎
旅の中で
ベトナムにて
いかがお過ごしでしょうか? 今年はベトナム、ブラジル、韓国、昨年は香港やシンガポール、インドネシア、ロシア極東など近年、欧州や北米以外の国や地域に訪問する機会が増えてまいりました。
ブラジルでのDADAN野外公演
私は、オリンピック直前のブラジル、現在我が国とは微妙な距離感にある韓国、経済成長著しく、高度経済成長期の日本と似ていると言われるベトナムの3ケ国を訪れました。
韓国「日韓交流おまつり」にて
それぞれの公演に至る過程は、北米や欧州とはくらべものにならないほど大変ではありましたが、その濃密な時間は、様々な地に赴き、直接触れ、感じることのできた貴重な体験でした。なにより人間同士が、お互いを受容し分かり合おうとする芸能や音楽の力を改めて感じることができました。
ベトナムにて
さて、私は旅の最中は、佐渡にいるときよりも本や活字に触れる時間が、格段に多くなります。メンバーのなかにも本好きがいますので、移動中などは読書をする光景を目にします。(音楽を聴いたり、バチをパタパタとしたり、公演のビデオを観たり、様々ではありますが…。)子供の頃からの習慣からか、新聞は毎日目を通したくなります。
旅の間は、その地の新聞を読むようにしたり、訪れた地に関連するものなどを読んでみるのも、旅を楽しく過ごす要素になります。今年はブラジルやベトナムに行きましたので、定番ではありますが、沢木耕太郎や開高健など旅の紀行文を読んで、『お? ここはもしやあの場面の?』などと想像を膨らませます。時間があれば本屋に行くことも良いリフレッシュになります。瞬く間に我が家の本棚が足りなくなる状況には甚だ閉口いたしますが、好きなモノを買うということは、自分への小さな投資であり、心を豊かにしていると自分に言い聞かせています。同時にそれに携わる全ての方々への感謝も生まれてきます。
2016年も残すところあと2ヶ月ですが、鼓童の旅はまだまだ続きます。旅で持ち得たものを佐渡に持ち帰りまた旅にでます。
太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎
鼓童49カ国目達成!ベトナム公演の旅/河本唯
鼓童49カ国目達成!ベトナム公演の旅
鼓童としての公演は、49ヶ国目となるベトナム。国民の平均年齢が約30歳という、経済成長も目覚ましい活気のある国です。
アース・セレブレーションでの共演から2ヶ月、ミンチーさんはじめ来日してくださったバックハーの皆さんとの嬉しい再会となりました。
ベトナムでの初めての公演は、ミンチーさんが教えている国立ハノイ舞台映画学院の伝統音楽学部の学生さんへの授業の一環として行われました。
ミンチーさん
レクチャー&デモンストレーションの形で自らお話頂き、演奏前に鼓童ことを伝えることができました。
ベトナムのお客様の反応は、欧米以上に歓声が上がる頻度が高く感じるのですが、次の演目が始まりそうになるとピッタリ止みます。「JANG-GWARA」などはシーンが変わるごとに歓声が上がり、笑い転げている学生さんもいらっしゃいました。「族」の前の紹介で船橋が「この後、太鼓を少し体験して頂くので良くみて学んでくださいね」というと、皆真剣に手を動かしたりお隣のクラスメートと相談しながら見てくれていました。
ミンチーさんは学院でも人気の高い講師ですので、バックハーの皆さんの演奏も真剣なまなざしで見ておられました。
14日には、ハノイ最大の観光地である旧市街の真ん中に位置するオールド・クォーター・センターで「Dong Kinh Co Nhac」(演奏グループ)の公演にゲスト出演させていただきました。
「Dong Kinh Co Nhac」は、今年2月にベトナムを訪ねた際にお会いしたハノイマスターズの一員で、この会場で定期的に公演を行っていらっしゃいます。
Dong Kinh Co Nhacの方と、船橋裕一郎
バックハーの皆さんよりもうひとまわり上の世代で、一人一人が国宝級といっても過言ではない熟練されたベトナム伝統音楽の才能をお持ちの団体です。
ご来場のお客様のほとんどが、ベトナムの伝統音楽を継承する彼らの演奏を目当てに来場されていらっしゃいましたが、お客様との距離が近い分、とても温かい空気の中で、鼓童も演奏をさせていただきました。共演した皆さんとは本番はもとより、オフステージでも多くの交流を持つことが出来ました。地元のメディアも多く取材に来られていました。
17日はハノイから90分離れたヴィンフックで行われる「アジア─ヨーロッパニューミュージックフェスティバル」及び「アジア作曲者協会」のイベントでの公演となりました。最初はヴィンフックのウェルカムパフォーマンス、続いてラオスとカンボジアのパフォーマンスがありました。
年齢制限がない無料公演だったので子どもたちも大勢いて、会場は賑やかです。少し退屈して騒いでいた子どもたちも、鼓童の演奏が始まると席に座り、立てノリでしっかり聞いてくれました。ヴィンフック・シアターは新しい劇場で客席・舞台は完成していましたが、楽屋はまだ未完成という段階で使用が始まっていてるという(ベトナムではよくあることとか…)、あまり経験のない体験もしました。
今回は国際交流基金アジアセンターの皆さんに大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。
【▼鼓童映像】ベトナムテレビ(VTV)で鼓童紹介/10月14日にOld Quarter Centerで開催されたハノイマスターズ Dong Kinh Co Nhacさんの公演に鼓童がゲスト出演させて頂いた際の映像と、船橋裕一郎のインタビューです。内容は日本語です、ぜひご覧ください。
鼓童、49カ国目達成!ベトナム公演/河本唯
鼓童、49カ国目達成!ベトナム公演
無事にベトナム公演1日目が幕を閉じました(一般の方は入られないクローズの学校公演でした)。今年のEarth Celebrationでも共演しました、バックハーの皆さんとの嬉しい再会に感激です。
引き続き14日、17日とベトナム公演があります。
【EC2016】「鼓童村コンサート」稽古真っ只中!/池永レオ遼太郎
【EC2016】「鼓童村コンサート」稽古真っ只中!
サントリーホールでの35周年記念コンサートを終えたばかりの我々ですが、稽古場ではベトナムのゲストと共に音作りが始まっています!
初めて出会う文化と音楽にお互い興味津々。
和気藹々かつ刺激のある空気が稽古場いっぱいに広がっています。
皆様にもこの気持ち良い空気を早く味わって頂きたいです!
それでは! アース・セレブレーションでお会いしましょう!
2016年8月26日(金)〜28日(日)
アース・セレブレーション2016
(新潟・佐渡市)
「アース・セレブレーション2016」ベトナムの風/池永レオ遼太郎
ベトナムの風
春の日差しが心地よい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。佐渡の稽古場は様々な新作に向けて、稽古の毎日です。そんな中、今年の「アース・セレブレーション」の準備も進めております。
今年の「アース・セレブレーション」はベトナムからゲストを招き、私たちの本拠地である鼓童村でコンサートを行います。それに向けての準備の為、実は2月にベトナムに視察へ行ってまいりました。
僕たちがハノイについたのは丁度旧正月の頃。
提灯や国旗が至る所に飾られ、華やいでいました。
僕たちは色々な料理を食べ
町を歩き
様々なアーティストと交流し
文化の違いや共通点を楽しみ
あっという間の一週間が過ぎて行きました。
現地の空気を吸い、現地の食べ物を食べ、現地の音楽を聴く。国際交流において現地を訪れ文化に触れることの大切さを再認させられた貴重な旅でした。今年の「鼓童村コンサート」はお客様にも僕たちが感じたベトナムの風を感じて頂ける様な機会にできればと思っています。
また、今年の「アース・セレブレーション」は鼓童村コンサート以外にも鼓童メンバーによる様々な小公演を企画しております。皆様のご来島、お待ちしております!
鼓童村コンサート演出補佐:池永レオ遼太郎
アース・セレブレーション 2016
http://www.kodo.or.jp/news/20160826ec_ja.html
※イベント内容の詳細は5月上旬にEC公式サイトにてお知らせします。コンサート、WSなど各種チケット発売は6月20日です。
今月のご挨拶/船橋裕一郎
皆様いかがお過ごしでしょうか。
1月下旬より若いメンバーを中心に17名が、「神秘」欧州ツアーにて各地を廻っております。ツアーを経るごとに内容も練り込まれ、大きな反響を頂いております。
1月29日 iichiko総合文化センター・グランシアタにて。ゆふいん源流太鼓と鼓童メンバーとで記念撮影。
私自身は1月末に大分県由布市に拠点をもつ、豊の国ゆふいん源流太鼓さんとの共演「日本太鼓 PREMIUM CONCERT 2016『打つ』」に出演してまいりました。本業を持ちながら、日々の鍛錬に裏打ちされた、源流太鼓の皆様の音や情熱に多くの学びを得ました。そして、リハーサルから打ち上げまで濃密でなにより楽しい時間を過ごさせて頂き、アマチュアとプロとの垣根を超えた、素晴らしい公演となりました。合わせて、名誉団員全員との共演にもなった公演でもあり、あらためて大先輩の存在感、続けることの大切さを体感した貴重な時間となりました。
そして、2月中旬の約1週間ほど、ベトナムのハノイに芸能調査に行ってまいりました。まもなく人口1億人を超え、急速な発展を遂げつつある国の景色は、日本の高度経済成長期を彷彿とさせるものがあるとも言われていますが、人々の熱気、平均年齢が20代という若さと熱気を犇々と感じることができました。
今回、新たな「アース・セレブレーション(EC)」に向けて模索するなか、多くの素晴らしい出会いを得ました。政治や経済、歴史が複雑に絡み合い、おそらく我々に計り知れない困難な問題を抱えながら、自身の芸能に対する誇りと愛情をもち、逞しく生きる音楽家の皆様に大変な感銘をうけました。私はこれまでベトナム音楽に触れる機会はありませんでしたが、短い期間ながら多様で多彩な音色と音楽、そして温かな人柄に魅了されました。
この夏、皆様にもご紹介する機会となるべく、ECにお招きするゲストやその内容についても決まりつつあります。随時皆様に発信してまいりますので、皆様ととともにこれからのアース・セレブレーションを作り上げていければと思っております。昨年のスアール・アグンさんに続き、アジアの皆様との交流は、今後の我々にとって、大きな収穫となることかと思います。
▲ブラジル、劇場仕込みの様子
そして、この3月には「打男」ツアーでブラジルに来ております。鼓童を通して、国内外で素晴らしい出会いがあることに改めて感謝しております。
東日本大震災から5年という月日が経ちました。私たちができうることは当時も今も僅かではありますが、芸能者として、太鼓打ちとして、果たすべき使命とはなにかということをそれぞれが考え、思い続け、全国各地、世界各地を巡ってまいります。