鼓童ブログ Kodo Blog

「浦浜民俗芸能伝承館」完成しました!/千田倫子


鼓童は2014年、岩手県大船渡市三陸町越喜来(おきらい)地区の「浦浜獅子躍」と「浦浜念仏剣舞」の活動拠点となる『浦浜民俗芸能伝承館』設立基金の呼びかけに協力してまいりました。この度、全国の方々の支援を得て、3月末に無事完成したとのこと。目出たく、2015年5月10日に落成式が行われました。

私達の呼びかけは、昨年6月の浅草公会堂の「神秘」公演プログラムへのチラシ挟み込みと、会場ロビーでの募金が皮切りだったので、ちょうど1年後にこのようなニュースをお知らせできること、大変嬉しい思いでいっぱいです。

浅草公会堂の後は、8月佐渡でのアース・セレブレーションでの募金、11月の長岡での復興祈願コンサートプログラムへのチラシ挟み込み、8月~12月にかけては、佐渡太鼓体験交流館に募金箱を設置するといった活動を続けてまいりました。募金箱による寄付金総額は20,406円。また挟み込みのチラシの案内で直接送金してくださったり、ブログ記事から関心を寄せてくださった方も多くいらっしゃると思います。改めて、皆様のご協力に感謝いたします。どうもありがとうございました。

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落成式。10年以上も前から浦浜念仏剣舞を習われ、震災直後から浦浜を応援し続けてきた東京の民族歌舞団「荒馬座」さん始め、全国から沢山の方々がお祝いにかけつけていました。

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落成式の懇親会。牡蠣やホタテ焼き、お土産のワカメなどなどご自分達の誇る、美味しい地の物でおもてなしいただきました。浦浜の踊り手たち自らが衣装をつけたまま、ふるまいのスタッフとなり変わる、手作り感いっぱいの、気持ちの温かくなる素敵な会でした。手前は、浦浜の念仏剣舞をしっかりと担っている子供達。

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稽古風景のお披露目。ササラをつけていくら跳んでも大丈夫な天井の高さ。鹿たち、念願の稽古場です。

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稽古場の一角には、建設基金支援者のお名前が掲げられています。

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建物のすぐ傍らには東日本大震災犠牲者供養塔、側面は獅子躍の唄でしょうか。浦浜の2つの芸能には供養の心が貫かれています。

浦浜の2つの芸能は、震災で甚大な被害を受け、念仏剣舞の道具一切と拠点を失いましたが、被災に負けることなく、これまで先人が育んできた素晴らしい芸能を未来へ必ず伝承するという誓いのもと、伝承館の建設に向かいました。郷土芸能の持つ力に大いなる確信を持ち、自分達に続け、と他所の被災芸能の方々もリードする心意気で頑張ってこられました。その気持ちに全国の方々の支援の気持ちが寄せられ、残り1千万の目標を達成し、完成の運びとなったのです。この伝承館は、浦浜の芸能を未来に繋いで行く拠点、そして震災を経て多くの気持ちが通じ合った、外の仲間との新しい交流の拠点なる施設です。今後、鼓童もこの伝承館を訪れて、浦浜の方々、其処に集う皆さんと出会っていきたいと思っています。ぜひ、皆さんも沿岸の芸能を見にいらしてください。

※落成式で披露された「浦浜獅子躍」と「浦浜念仏剣舞」、荒馬座さんによる「獅子舞」の様子が、東北文化財映像研究所ライブラリーで公開されています。


▶YouTubeで再生 https://www.youtube.com/watch?v=GHTbBVo_Jro


▶YouTubeで再生 https://www.youtube.com/watch?v=LFN5qJ4hSWw


▶YouTubeで再生 https://www.youtube.com/watch?v=ceXDdYRMP8I

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