実りの秋に寄せて/見留知弘
皆様いかがお過ごしでしょうか。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。10月に入り、陽気の中にもひんやりとした空気が感じられるようになってまいりました。十数年前には、10月でも雪まじりの雨が降る年もありましたが、近年は温暖化の影響もあり、佐渡の秋は少し長くなっているような気が致します。
さて、9月の鼓童は、ワン・アース・ツアー〜永遠、交流学校公演、特別公演編成など、北は北海道から四国まで、公演しておりました。各ツアーごとに、特別な企画があり、共演あり、ワークショップありと、多彩な活動を行っておりました。
私が参加している、佐渡特別公演は4年目を迎え、ベテランと準団員、そして初参加の蓑輪真弥と8名で、4日間で7公演を行いました。宿根木公会堂は築57年になるそうで、今年の秋から耐震工事が入っており、来春には少しのリニューアルをした公会堂でお目にかかる事になります。
Photo: Damian Siqueiros
Dancers: Jerimy Rivera & Edi Blloshmi
交流公演チームは、9月末にツアーが終了し、10月上旬より開催される、カナダのモントリオールで3年ぶりに上演されるバレエ作品「輝夜姫」公演に向けて、佐渡で稽古期間に入っております。本作は、「モノクローム」や「入破」の作曲をして下さった、故・石井眞木さんの作品で、オーケストラと雅楽、西洋パーカッションに和太鼓が加わった、バレエ音楽として演奏を致します。音楽としては、オーケストラピットの中で演奏する時間がほとんどですが、舞台に上がって演奏するシーンもあり、西洋打楽器と和太鼓が、戦いの場面を表して激しい打ち合いをするシーンなどもあります。
そして研修生もこの10月にはイベントが盛りだくさんで、稽古以外には、島内の中学校での交流公演、鼓童塾、そして実りの秋ですから、柿やお米などの収穫と、農作業も大事な経験です。9月末には東京と大阪にて、研修所の説明会が行われました。鼓童の舞台に立ちたいという気持ちがあっても、具体的にどのような研修を受けるのか、2年間をどのように過ごすのかなど、不安に思われることもあるでしょう。佐渡に来て、体験入所していただけるとよいのですが、遠方で難しいという方にも、できるだけ足を運んでいただきやすいように、島外での説明会を数年前から設けております。本日10月1日より応募受付が始まりました。一度きりしかない人生、若い力のチャレンジを心待ちにしております。
芸術の秋、ぜひお近くの鼓童公演会場で、皆様をお待ち致しております。