ご挨拶/阿部研三、井上陽介
阿部研三
この度、今年いっぱいで鼓童を退団させていただくことになりました。私が研修所に入所したのは、2000年の4月でした。これまで14年間、鼓童関係者、舞台に関わる皆様、そして鼓童ファンの皆様に、本当にお世話になりました。心より感謝申し上げます。
私が鼓童に入りたいと思ったのは、演奏者の鍛え上げられた肉体美と、無駄のない動きから生まれるキレに圧倒されたからです。そして、前身の鬼太鼓座時代から培った、人間のエネルギーの限界に挑むという理念、またそれを実際にこなしてきた諸先輩方の築いた鼓童の舞台に、強い憧れを感じたからです。
私自身、人間のエネルギーの限界に挑んだかといえば疑問が残ります。現実に、一生を鼓童に捧げることができませんでした。これは自分自身に刻まれる事だと思います。しかし、人間を圧倒するそのエネルギーは、どうしたら生まれるのか、また本当に自分自身が欲しているのか、またそれは何なのか…。
今、自分が決断した道に後悔はありませんが、いまだ自立できたとは程遠い自分だからこそ、自分の足で立つという意識で、新たな道を歩もうと思います。
なにやら重苦しい最後のご挨拶ですが、如何せん、家族がいますので、学生気分で佐渡に渡って来た時とは、状況も年齢も違います。自分がどうのこうの、理念がどうのこうの言ってる場合ではありません。生きなければなりません。必然的に限界に挑みます…。
鼓童で経験したことは、本当に貴重で、今後の自分自身の大きな財産になると思っています。このような機会を与えてくださった多くの方々に、改めまして、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
井上陽介
この度は一身上の都合により鼓童を離れることになりました。
2012年からの3年間、ワン・アース・ツアー「伝説」の舞台から始まり「アマテラス」「神秘」、最後となるこの12月は交流公演に参加させていただきました。沢山の方々と出会え、自分にとって貴重な経験がたくさん出来たこと、とても感謝しています。
今後は理学療法士の資格を取り、身体の勉強やマッサージを学び、鼓童での経験を活かして、新しい道に進みたいと思います。
短い間でしたが、応援して下さった皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。