新作「混沌」稽古/住吉佑太
新作「混沌」稽古
最初に玉三郎さんから、この「混沌」(こんとん)というタイトルについてのお話がありました。
「混沌」というタイトルではあるが、本当にこの舞台で感じてもらいたいのは「調和」であるということ。最初から調和というタイトルにしてしまうと、どこが調和しているのか分からない。混沌としている部分があってこそ、初めて調和というものが生まれ得る。ある種、日本人の謙遜のような表現ですね。と冗談を交えながら話してくださいました。
今回は和太鼓だけでなく、西洋のドラムスを取り入れた舞台です。
元ザ・ブルーハーツの梶原徹也さんによるドラム稽古の様子
最初は困惑するところもありましたが、稽古を重ねるうちに、「たたく」という行為について、よく考えるようになりました。
人間の根本に流れる血の部分。「たたく」行為は、全人類共通の感覚なんだと、改めて感じています。「何を」たたくかは問題じゃない。根の部分が同じであることを忘れずに作品を作り、今まで和太鼓で一色だった枝葉に花や実が生まれてくれば、より新しい世界に進めると確信しています。
12月まであと半年ちょっと。まだ稽古は始まったばかりですが、自分たちも何が生まれてくるかワクワクしながら、稽古は続きます。