福厳寺 火渡り神事/内田依利
12月14日「福厳寺 火渡り神事」出演(愛知県)
愛知県小牧の福厳寺火渡り神事での演奏を無事終えました。当日はあいにくの天気でしたが、朝からいろいろな団体の演奏や美味しそうな屋台がならんでおり賑わっておりました。
昨年に、引き続き鼓童の出演は2度目になるのですが、始まる前にお寺の方から神事の由来をお聞きいたしました。何百年も続く祭りの一つとして演奏させて頂けることは大変光栄であり、気が引き締まります。
夕方に向けて気温もどんどん下がって行く中、五時の鐘がなり、まずは鐘楼にて演奏スタート。演奏中も鐘を鳴らし続けていただきながらの演奏です。昔から鐘の音を村中に届けるために建てられた建物だからでしょうか、かなり遠くまで太鼓が気持ちよくなり響きます。
その後いよいよ火渡り神事の行われる場所の目の前のメインステージでの演奏です。
想像以上に寒く、肌が見えている部分は切れるような思いです。それが逆に気持ちを奮い立たせます。
大太鼓は裏打ちの住吉佑太、鉦の花岡哲海の音にも気合いがこもってるのが音から伝わってきます。表を打っていた中込健太の背中からは湯気がもくもくと立っていたようです。
屋台囃子が始まった時には火が着き始め、炎と煙を前にした演奏では皆の音もいつもとは少し違ったように感じました。
しかし、いくら気合いを入れても、寒いものは寒い! 本番中は平気な気がしていましたが、相当震えていたようで、次の日は内臓が相当筋肉痛になっておりました。
何もかもを飲み込んでしまう「火」の恐ろしさを知る神事ではありましたが、同時に「寒さ」の恐ろしさも知りました。やはり自然にはかないませんが、冬なのに暖かいところでぬくぬくし過ぎたら人間的にも弱くなる! と反省した日でもありました。