鼓童とリズムというのは、とても密接な関係にあると思っています。
新たな太鼓アンサンブルを追求するということは、リズムを研究することでもあります。「ミチカケ」では、あえて一度そのリズムを手放し、響きや音色そのものを見つめ直すところから始まります。
郷土芸能からインスパイアされるのではなく、空間的、数学的概念からアプローチする作曲方法にも挑戦しています。太鼓という楽器で、あえて土着性を排除した音楽を奏でたとき、ただの数列のようなリズムの中に、無限の超自然的な宇宙を感じる瞬間があります。
そこに打ち手の魂が共鳴したとき、未だかつてない響きが生まれるのではないかと信じて、この作品をお送りします。