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アメリカのお盆/藤本容子


アメリカのお盆

今日で、旧暦のお盆もお終いですね。今頃は、郷里での家族とのひと時から、日常に戻る道中の、混雑に難渋している方も多かろうなあと思いつつ、EC稽古の間隙に、今年体験したアメリカのお盆を思い出しています。

カリフォルニアのサンノゼ太鼓の「Ei Ja Nai Ka」という曲に合わせて、歌の歌詞とメロディーをプレゼントしたのは、2001年だったと思います。それがお盆で踊られるようになり、今年は、カリフォルニアのお盆の、公式演目に選ばれて、あちこちで踊られるという話を聞いて、心が騒ぎ、目撃しに訪ねました。

1000人輪踊り

7月11日、12日。アメリカ最大級、1000人の輪踊りと聞いてはいましたが、サンノゼのお盆祭りは、聞きしに勝る賑わいでした。仏教会のメンバーのボランティアによる、食べ物や雑貨、団扇やオモチャなどのブースも立ち並んで、お祭りを盛り上げています。アメリカの日系社会では、Obon Festivalとして、先祖を思い出す供養と共に、コミュニテイの絆をいっそう確かにする、一年で最も大切な、家族ぐるみの催しです。

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1000人の踊りに囲まれて歌うのは、さすがに力が入りました。歌に乗ってのコール&レスポンスも迫力ものです。とても幸せで光栄な気持ちになりました。

浴衣で参加の人も多く、遊びの扮装も目を引きました。白人、ヒスパニック、黒人、、、アメリカのお盆は国際的だなあと感心するのは、早急です。外見によらず、日本人の血が流れている人々がほとんどとのこと。

多国籍国家のアメリカだからこそ、自分の所属コミュニテイへの意識が強く、深い。日本では葬式仏教などと言われていますが、アメリカで仏教会に所属している人は、結婚式も仏教会で挙げたり、宗教が日本より身近なところにあるように、見受けられます。

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ロサンゼルスのベニスという街のお盆に参加した7月18日は、あいにくの雨でした。中止にしようと一回は決めたものの、「ご先祖の供養の祭りに、中止はありえない!」と決行。その意気に感じてか、踊りが進むうちに、いつの間にか雨も上がっていたのでした。

混血化が進む中でも、お盆は、日本人の血を引く自分の生命に思いを馳せ、先祖への感謝を表す行事として、これからも大切にされてゆくことと思います。来年は、ただ一ヶ所、出店などを全く出さずに、先祖供養に徹する、ロサンゼルスの洗心仏教会のお盆に、ぜひ参加したいと思っています。

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