芸術監督・坂東玉三郎が卓越した感性で鼓童をさらなる新境地へ解き放った記念碑的作品。日本全国を縦断し、ニューヨーク、ラスベガスなど全米25都市ツアーを経て磨き抜かれたステージの国内公演が、2013年春、いよいよフィナーレを迎えます。
坂東玉三郎です。
「鼓童ワン・アース・ツアー〜伝説」は、これまでの鼓童の重厚さを大事にしつつ、華やかさや軽やかさを加え、それらが渾然一体となってうねりながら流れていく舞台にしたいと考え、また次代に伝えて行けるようにとの願いを込めて新曲も創りました。従来の鼓童の持っている基本的な演奏が新たな組み合わせによって新鮮な境地でお聞きいただけると思います。こうした新しい作品や様式を開拓していくことが今後の鼓童にとって重要な活動となってまいります。一年間のツアーで練り上げ、演奏者の身体にも馴染んでまいりました。鼓童による一時を存分にお楽しみ頂けるようにと願っております。
研ぎ澄まされた肉体とひたすらに太鼓に挑む姿で魅了し続ける鼓童の、心技体の極地ともいうべき伝説的演目と坂東玉三郎が自ら手がけた新作とをつないだ芸術監督就任第一作です。
第一部は、坂東玉三郎作曲による新曲『カデン』で幕を開けます。音群の中でソリストが自由自在に打ち込みながら、静けさと激しさを幻想的に交錯させながら展開していきます。
様々なイメージを投射するモノトーンの世界から転じて、第二部は躍動するエネルギーを放ちながら彩り豊かに華やかな舞台を繰り広げます。クライマックスでは、打つことのみによって鍛え上げた肉体を太鼓に投じ、魂の響きによってカタルシスへと導きます。
鼓童と坂東玉三郎が紡ぐ『伝説』の瞬間を、どうぞお見逃しなく。
