砂畑好江が世界的に注目されているコンテンポラリーダンサー、アクラム・カーン氏の最新作「Gnosis(ノーシス)」に単独で出演、2月〜7月に世界各地で公演します。この作品は、2009年11月12・13日イーストリー、16日ロンドン(サドラーズ・ウェルズ劇場)で上演され好評を博しました。
1974年、イギリス・ロンドン生まれ。ダンサー・振付家。バングラディシュ人の両親のもとに生まれ、幼少より北インド古典舞踊(カタック)を学ぶ。大学在籍時からダンスを学び、創作をはじめる。2000年に自身のカンパニーである「アクラム・カーン・カンパニー」を設立。近年は現代最高峰のバレエダンサー、シルヴィ・ギエムや、モロッコ系ベルギー人のダンサー・振付家の シディ・ラルビ・シェルカウイ等と共作にも挑む。日本では、2009年3月に仏女優、ジュリエット・ビノシュとの共同演出・出演をつとめた舞台、「イン・アイ」(in-i)が話題となった。
アラブ首長国連邦・アブダビ
オマーン・マスカット
Al Bustan Hotel
トルコ・イスタンブール
Muhsin Ertuğrul Stage
イギリス・ロンドン
Sadler's Wells
デンマーク・コペンハーゲン(未定)
Danses Hus
イギリス・バーミンガム
Town Hall
フランス・パリ
Théâtre des Abbesses
台湾・台北
Novel Hall
オーストラリア・シドニー
Sydney Opera House
イスラエル・テルアビブ
Sherover Hall, Jerusalem Theatre
スペイン・サラマンカ
Teatro Liceo
スペイン・サラマンカの公演日程は6月7日から6月6日に変更になりました。
イタリア・ローマ
Villa Adriana(屋外)
フランス・モンペリエ
Théâtre de l'Agora(屋外)
オランダ・アムステルダム
Stadsschouwburg Amsterdam
約一ヶ月半、初めて一人で行く海外、そして仕事。緊張と不安と期待を持ってロンドンに向かいました。
稽古初日、ミュージシャンとの顔合わせ、そしてアクラムさんから構成に関する話がありました。佐渡で話された内容からさらに具体的になり、ストーリーができていました。伝統的なカタックダンス(私は和太鼓で参加)。二部では、インド神話『マハーバーラタ』にでてくるワンシーンを ダンスと音楽、パペット(人形)で表現していきます(私はパペット担当)。
マハーバーラタには、深い道徳心が書かれてあり、そこから学ばなければならないことがあります。しかし人間は、いつも同じ過ちを繰り返してしまうものです。そんな、人間の無常さを感じる舞台になるのではないかと、ひそかに思いました。
一部の演奏の方の稽古では、いつもと(鼓童にいる時と)様子が違いました。というのは、やはり和太鼓の音は大きく、自分が叩くと彼らの音が聞こえないのです。彼らの手の動きを凝視しながら、自分の音を抑えながらの稽古でした。二部の稽古は、パペットを生きているものとして、感情を表現させるのにとても苦労しました。毎日創っては変え、創っては変えるの連続でした。
それは本番を迎えても同じで、良いものを目指して試行錯誤を繰り返しました。アクラムさんのオーダーに、その都度対応していくミュージシャン達…。彼らの鋭くて繊細な感覚、奏でる音楽、人柄にはいつも励まされました。
そしてアクラムさんの並外れた身体表現に、心を動かされました。舞台の最後に、私の唄の中で彼が動くシーンがあったのですが、その凄まじい表現に触発されながら歌っているようでした。私にとってとてもスリリングな舞台、体験でしたが、最後の一体感はとても心地よいものでした。
また、がんばります。
砂畑好江