さらなる飛躍を目指し、鼓童の新たな挑戦が始まりました。坂東玉三郎氏の芸術監督就任第一弾として、2012年5月より新作舞台「鼓童ワン・アース・ツアー~伝説」を上演しています。
坂東玉三郞です。
これまでの鼓童の重厚さに華やかさや軽やかさを加え、うねりながら流れていく舞台を創りました。
一年間のツアーで練り上げ、演奏者の身体にも馴染んでまいりました。皆様にお楽しみ頂けるようにと願っています。
研ぎ澄まされた肉体とひたすらに太鼓に挑む姿で魅了し続ける鼓童の、心技体の極地ともいうべき伝説的演目と坂東玉三郎が自ら手がけた新作とをつないだ芸術監督就任第一作です。
第一部は、坂東玉三郎作曲による新曲『カデン』で幕を開けます。音群の中でソリストが自由自在に打ち込みながら、静けさと激しさを幻想的に交錯させながら展開していきます。
様々なイメージを投射するモノトーンの世界から転じて、第二部は躍動するエネルギーを放ちながら彩り豊かに華やかな舞台を繰り広げます。クライマックスでは、打つことのみによって鍛え上げた肉体を太鼓に投じ、魂の響きによってカタルシスへと導きます。
鼓童と坂東玉三郎が紡ぐ『伝説』の瞬間を、どうぞお見逃しなく。
辻勝、宮﨑正美、石塚充、阿部研三、坂本雅幸、吉井盛悟、前田剛史、
立石雷、小松崎正吾、安藤明子、井上陽介、住吉佑太、花岡哲海
鼓童の一糸乱れぬ、そして大興奮の演奏を観ていると、ブルーマンやシルク・ド・ソレイユなどといった最先端のラスヴェガスのショーが、いかに彼らに影響を受けているかがよく判るのだ。
「鼓童ワン・アース・ツアー2013〜伝説」公演は、観た人たち皆の音楽の世界を拡げると同時に、その多くに自分のジムの会員期限の更新をしなくてはと思わせるものだった。
「鼓童が連れていく魔法のひととき」
鼓童が目指しているものは(そして実際に表現しているものは)催眠術に掛けられたような雰囲気である。彼らの音楽は夢うつつの心地へいざなう効果を持っていた。そもそも太鼓は人類が手にした最初の楽器なのである。だからきっと太鼓のリズムに導かれて太古の情景を思い浮かべた観客もいただろう。また4人の篠笛奏者がペンタトニック音階の曲を演奏した時には、アジアの理想郷が目の前に現れたのだった。
Greenville online.com(2月25日 サウスカロライナ州グリーンヴィル)