無限の可能性/神谷唯

私たち鼓童は、「太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる集団」です。

でも、音楽芸能以外にも太鼓は無限の可能性を秘めていて、
太鼓の周りに人が集まり、太鼓を通して人が繋がる。

私にとってそれが太鼓の一番の魅力だと感じています。

北米で2ヶ月間行ってきた「Evolution」ツアーも残すところ一公演。

これまで北米各地でたくさんの出会いと再会に恵まれました。

各地でそれぞれの活動に励む現地の太鼓グループさんや、長年鼓童を応援してくださっている皆様、それぞれが太鼓に対して熱い思いを持っていて、私たちも沢山の元気と力をもらって参りました。本当にありがとうございました。

太鼓の可能性はまだまだ無限。
これからどんな人に出会えるんだろう、どんな友情が生まれるんだろう。
私のちょっとした楽しみです。

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)


北米「Evolution 」ツアー千秋楽/石塚充

Photo: Yui Kamiya

2カ月にわたる「螺旋」北米ツアーが、オンタリオ州オタワにて無事に千秋楽を迎えました。

Photo: Takashi Okamoto

2年ぶりの北米のお客様は、どの街でもとても熱く明るく、暖かく私たちを迎えてくださいました。

関わってくださった皆様、いつも応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。

Photo: Takashi Okamoto「螺旋」は英語のタイトルでは「Evolution」と表記され、その名の通り、鼓童が過去から現在、そして未来へ、いつまでも進化を続けていってほしいという願いを込めて玉三郎さんがつくってくださった作品です。

Photo: Takashi Okamoto

再演を重ねるたびに、若いメンバーたちの成長は本当に目ざましく頼もしく、とくに今回の北米ツアーでは、この作品をしっかりと「鼓童の作品」にすることができたという手応えがありました。

Photo: Takashi Okamoto

素晴らしい作品に出会えること、常に新しい作品に挑戦できる環境があること、良き先輩方や切磋琢磨しあえるメンバーがいること、支えてくれる方々、応援してくださる方々がいること、どれだけ感謝しても足りないですが、その気持ちを忘れずに。

年の初めのツアーは幸先の良いスタートとなりました。

この春からは日本国内での活動がメインになります。

今年も鼓童をよろしくお願い致します。

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)


8年ぶりの北米/中込健太

長いツアーも、カナダに入り
「Evolution」の公演も残すところあとわずかとなった。

Photo: Leo Ryotaro

8年ぶりの北米ツアーは、
新鮮さと、当時の自分に、出会うような不思議な、面白い感覚だ。

8年前の北米ツアーで大太鼓を、舞台で叩きはじめ、大太鼓との旅が始まった。
毎日必死だった。

2011年北米ツアーの写真

自分が後にこの、「Evolution」のような作品や、近年の挑戦的な新作の舞台で演奏する様になるなどと、全く想像していなかった。

8年、
大きな変化の時間を過ごしてきた。

未来への自分の想像、思惑、欲望、展望、など全く及ばない場所に今、たどり着いた。

Photo: Takashi Okamoto

そんなものより、

8年間分の、旅した土地で見た風景と、新しい作品づくりの日々、稽古、

実験と試行錯誤の時間、失敗と、発見の興奮。

出会った人達、家族、言葉が、自分を変質、成長させてきた。

Photo: Takashi Okamoto

いつも、自分の思いや固定概念を、

思い切って手放し、突き放し、晒された時に、

思いもよらぬ気づきや発見がある。

Photo: Takashi Okamoto

Photo: Takashi Okamoto

どんどん捨てて、

一打の音とともに、消えてしまえ自分。

かそけき弱打の響きに導かれろ。

太鼓の前で、

無音の中に現れる何かを待っている。

Photo: Takashi Okamoto

中込健太

 

鼓童・北米ツアーメンバーは今ここ!
カナダ、ケベック州 モントリオール

2019.03.23(土) カナダ、ケベック州 モントリオール Place des Arts

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)


それぞれの思い/秋元阿実

今回初めて鼓童のツアーのお手伝いをさせて頂きました、秋元阿実です!

Photo: Koji Miyagi

鼓童の演奏は、前に観客の一人として何度も見させて頂いていましたが、短い期間ながら、今回のツアーに裏方として同行させて頂くことで、新しい学びや違った視点からの見方、そしてたくさんの「思い」に触れる事ができました。

Photo: Leo Ryotaro

鼓童の演奏やスタッフメンバーも、それぞれ違った理由や思いを持って、自分の中の悩みや不安や挑戦に向き合いながら、すべてのメンバーが気持ちを一つにして素晴らしい演奏を毎回舞台上で作りあげる。

Photo: Takashi Okamoto

このツアーで鼓童の皆さんと一緒に過ごす時間の中で、何度も見学していたリハーサル、そして迎える本番の公演、個人で黙々と練習をする姿、バスで静かに休んでいる様子、体調の低下や疲れを感じているメンバー、仲間を見守る姿、みんなと一緒にワイワイ過ごすハッピーな一時、そんな中でお互いを尊重し合う姿は常にありました。

Photo: Yui Kamiya

私もメンバーと過ごす時間が増えるうちに、毎回訪れる本番の演奏は一味違うように見えたり、見ている自分の気持ちに変化があったり、新しい気づきが毎回発見することができました。

Photo: Takashi Okamoto

観客も、太鼓が好きで見にくるお客様もいれば、様々な興味を持って、来場するお客様もいる。そしていろんな思い思いの理由でその演奏に感動する。

笑顔になって帰っていく観客の姿、希望の種がまかれたかのように目をキラキラさせて、何か勇気をもらったかのように見えた観客の様子、演奏での正確でしなやかな動きを見て、自分の生活を見直したい、また、やる気を引き出された方たちの姿。

鼓童はそれだけ幅広くいろんな方たちの心に響いていく何かを作り出しているのだと実感しました。

Photo: Takashi Okamoto

こういった様々な思いがある中での生まれるいろんな感動や共感は、不思議な感覚にさえ思え、またそれが、とても魅力的にも感じてきていました。

それはご来場するお客様だけでなく、会場のスタッフの方、バスの運転手さんに至るまで、笑顔やポジティブな印象を残していけたと思いますし、ツアーの中で多くの素敵な方たちとのご縁を頂くこともできました。

それは言葉以上に、お互いに理解したい、もっと知りたい、思いを届けたい、という熱意からくるものかもしれません。

Photo: Takashi Okamoto

まさに「One Earth Tour」 の名前に託されている願いのように、鼓童に触れた一人ひとりの方たちが、「鼓童」という存在がすてきな存在としていつまでの心に残るよう、そして、鼓童をもっと理解できることで、いつまでもその感動が心の中で鳴り響いているよう願っています。

Photo: Takashi Okamoto

さらに言えば、「太鼓」というものを世界の人たちによりよく理解をしていただければ、たくさんの可能性は無限にあって、素敵な出会いがたくさん生まれるような気がしてワクワクしています!

未熟な私はまだ学ぶことがたくさんありますが、そういうことのお手伝いをさせて頂きたいともっと強く思うようになりました。

このように思えたのも、ツアーに関わっている鼓童の演奏者メンバーやスタッフの方達、現地スタッフの方達、そしてアメリカでこのツアー中に接することができた多くの皆さまのお陰だと、感謝の気持ちでいっぱいです!

今回巡ってきた様々な場所に残した鼓童の皆さまの足跡が、次なる感動の種として育っていくことを心より願っています!

鼓童・北米ツアーメンバーは今ここ!
カナダ、オンタリオ州 トロント

 

2019.03.21(木) カナダ、オンタリオ州 トロント Sony Center for the Performing Arts

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)


私の仕事/篠 健太郎

お久しぶりです!
個人としてはパリ以来、2回目の投稿になります、舞台スタッフのしの 健太郎けんたろうです!

Photo: Ryotaro Ikenaga

今回は任されている小道具の扱いについて書こうと思います。

私は、今回同行している北米evolutionツアーが初めての長期ツアーです。そこで任されている小道具は鼓童の中で通称「ぼんぼり」と呼ばれている小道具です!

このぼんぼりは「明けの明星」という楽曲の際に使用されていて、「太鼓を前・ぼんぼりを後ろ」に装着して演奏するものです。

Photo: Takashi Okamoto

暗い舞台の中で、ゆらゆらと美しく時に素早く果敢な動きを表すため、「明かりが付く」ことが大変重要な小道具ですが、この小道具自体も2013年の「神秘」より使われている少し歴史のあるもので、本番で明かりがつかないことは一度もありませんが、リハーサルやウォーミングアップ中に時折点滅するので、本番は毎回祈る思いで見届けています。

Photo: Takashi Okamoto

また、演奏者個人によってもサイズが異なり、毎回微調整を重ねてここまできました、最近はやっと慣れてきて、個人の体の癖や緊張状態によって「今日はこれくらい!」と合わせられるように段々となってきました。

Photo: Takashi Okamoto

一年目の最後にこのような大切で重要な仕事を任せていただき、ありがたい気持ちと嬉しい気持ちがあります。

ただ残す公演数も8回。

もう3分の1を切ったというところです。ここ数回は小道具とまた別の所で課題を感じています。

Photo: Yui Kamiya

日々人としても演奏者としても更新されていく演奏メンバーの隣で、私ももっともっと早く成長したい。同じ失敗は絶対にしない!など色々と焦りつつも、舞台監督という位置を目指し、着実に進んで行きたいと考えています。

そんな訳でなかなか語られない小道具についてでした!

私も演奏者に負けじと頑張ります!!

Photo: Yuki Hirata

鼓童・北米ツアーメンバーは今ここ!
アメリカ、コネチカット州 フェアフィールド

2019.03.08(金) 〜2019.03.09(土) アメリカ、コネチカット州 フェアフィールド Quick Center at Fairfield University

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)