「鼓童」芸術監督招聘ならびに新代表選任のご報告 | 新代表・見留知弘より

見留知弘

来年4月より、鼓童の新代表を務めさせていただくことになりました。私は鼓童メンバーとして20年間ひたすら演奏に専念してまいりました。前身の「佐渡の國鬼太鼓座」を含め、40年の歴史を積み上げてきた鼓童の舞台が将来に向かう新たな一歩を踏み出していく、その舵取り役という重責を担うことになり、大変身が引き締まる思いです。

太鼓を舞台で演奏するという分野で唯一の存在だった時代から、現在はプロフェッショナル・アマチュア問わず技術的にも優れたグループが沢山存在するようになりました。鼓童は、これからひとりひとりがさらに専門家の表現者として高い意識と技術を備え存在感を示し、世界の芸術に通用するグループとなるよう、全力を尽くしていきたいと思います。

また、このたび坂東玉三郎さんを芸術監督としてお招きし、舞台の全般にわたりご指導を仰ぐことになりました。これまで10年間、間近で学ばせていただきましたが、私も一演奏者の立場から今後は舞台の代表としても、これまでの固定観念に囚われずに視野を広げて鼓童の太鼓表現の可能性を探求し、新たな境地へ踏み込んでいきたいと思っています。

これからの時代も変わらずにありたいと決意するのは、太鼓の音に魂を込めて聞く人の心に響く音を届けること、そして人間として高い目標に立ち向かう真摯な姿です。私たちは舞台芸術としての太鼓表現の道を歩んできましたが、日本の伝統芸能の世界に比べればまだ半世紀ほどの歴史しかありません。後世に太鼓文化がしっかり残るよう、その発展の一翼を担いたいと思います。

今後ともご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

見留知弘

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