再生への道を共に

東日本大震災における多くの犠牲者の方々を悼み、心からご冥福をお祈りいたします。そして、今も困難な避難生活を余儀なくされている皆様に心からお見舞い申し上げます。

世界最大規模の巨大地震、大津波、原発事故と連鎖災害による甚大な被害が日ごとに明らかになり、尊い命だけでなく地域の文化までも根こそぎ破壊してゆく凄惨な光景にはなすすべもなく、愕然とするばかりでした。しかし、被災地で今いちばん悲しみと苦しみの中にいて大変な思いをしている被災者の皆さんが、懸命に試練に立ち向かっている姿と支え合う絆に、人間の強靱な精神力と生命力を感じ、私たち自身が勇気づけられています。皆の力を合わせて、必ずより逞しく、よりよい日本を再構築していけると確信しています。
しかし、原発事故では安全神話が虚像であったことが露呈しました。一日も早い事態の収束を願っておりますが、一方で進歩と便利さを追い求め続けてきた人類への警告とも受け止めています。私たちは今、これからの生き方の価値観を問われていると思えてなりません。

今年予定していた公演のうち、実施を再検討せざるを得ない公演地も出てまいりました。劇場やご来場くださるお客様があって、私たちの公演が成り立つことを改めて思い知る日々です。鼓童もまた、何のために太鼓を叩いているのか、何のために芸能を携え、世界中を旅しているのか、その根本を突きつけられています。被災地の皆様との再会の日を切に願いながら、鼓童も皆様と一緒に辛抱強く試練に立ち向かっていきたいと思います。

三月十一日、鼓童は北米ツアー中でした。日本のことを心から案じるお客様や世界中の仲間から励ましやご支援をたくさんお寄せいただきましたことをご報告すると共に、心からお礼を申し上げます。被災地や被災された方々に対しては長期的な復興支援が必要になります。どうか引き続き、皆様からのご支援をお願い申し上げます。私達鼓童グループも精一杯できることを考え活動してまいります。

鼓童代表 青木孝夫

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