KASAとは

 鼓童アーツ・スフィア・アメリカ (KASA)は、カリフォルニア州の認可を受けたNPO団体です。太鼓やそれに関連する芸能を通して、北米と日本との交流を築くことを目的としています。
 太鼓を中心とした世界的な活動を行ってきたグループ「鼓童」と、北米の太鼓関係者が中心となって運営を行います(詳しくは、「役員・スタッフ紹介」をご覧ください)。
 正式な団体名は、Kodo Arts Sphere Americaといいます。それぞれの語の頭文字をとってKASA(カサ)といっています。団体名に使われている「Sphere(スフィア)」とは、「球」や「丸いもの」を指しますが、「空間」といった意味ももつことばです。KASAという団体名は、鼓童、北米、日本が交流する立体的な芸術空間を指します。そして、その空間は、丸く柔らかに、多様な人々を包みこむ「傘(カサ)」であると同時に、さまざまな人々に開かれた「CASA(カサ:スペイン語で「家」という意味)」でもあるのです。



設立の背景

 日本では昔から太鼓は共同体(コミュニティ)のシンボルでした。村祭りや儀式で叩かれるだけでなく、基本的な通信手段でもあったのです。集会に人を集める合図として使われたり、危険を知らせたり、祝い事などにも使われれてきました。
 現在では、「和太鼓」とも呼ばれ、舞台で鑑賞されるようになったり、たくさんの作品が創作されたりしています。それは、日本のみならず、北米の地においても盛んに行われています。
 北米の太鼓も、コミュニティの軸としての役割を務めながら、独自の道を歩んできました。'70年代初めごろから日系アメリカ人や日系カナダ人は、それぞれのコミュニティの声として、また、かれら自身の文化的アイデンティティを表現するものの一つとして、太鼓を演奏するようになりました。
 今、北米では紛れもない太鼓ブームが起きています。子供からお年寄りまで、また様々な民族的背景を持つ人々が太鼓を演奏するようになりました。現在、地域コミュニティを基盤として活動する太鼓グループが少なくとも150はあると言われ、その数は増え続けています。
 こういった日本と北米の太鼓界の状況を背景にKASAは誕生しました。その構想は、鼓童設立時の代表だった故・河内敏夫から生まれました。70年代から、北米の太鼓グループとも交流のあった河内は、鼓童が日本と北米の間の文化交流の一助となることを願っていました。河内亡き後も、鼓童と北米太鼓コミュニティでの交流は続き、KASAという形で河内の夢が実現したのです。



なぜ太鼓なのか、なぜ芸術なのか

 コンピューターやインターネットが発達した今、目まぐるしく溢れる情報の中で、私たちは歩んできた過去を見失いがちです。また、人と人が直接にふれあう機会よりも、電子機器を通したコミュニケーションが頻繁になってきました。
 そんな中で、太鼓や芸術は、年齢や人種、文化的背景などの違いを超えて人々を結んできました。太鼓の音は、誰にも通じる人類共通なことばとなり、すべての人をつなぎ合わせる力を備えていると考えます。



KASAの目指すもの

 北米と日本をつなぎ、太鼓や芸術に関わる人々の拠り所となること、これが私たちが構想するKASAです。各地で活動する太鼓グループ同士の交流の核となり、演奏する場を作るだけでなく、芸能のルーツを探ったり、コミュニティにおける太鼓の重要性について語り合う機会も提供できればと願っています。
 こうした願いを実現していくために、実践的なワークショップの開催をKASAの具体的な活動の一つとしています。新たな太鼓の演奏家が次々と登場する今こそ、太鼓のルーツや歴史、その精神が忘れられてしまうことのないようにしなければなりません。KASAは演奏技術を教えると同時にその伝統の大切さも伝えられるような場を提供していきます。
 太鼓には私たちの住む世界を、よりよいものにする力があると思います。そんな可能性を信じる人であれば誰にでも開かれた団体として成長するよう、努力してまいります。