KASAベネフィットコンサート

報告:ダニエル・ローゼン
2002年8月13日火曜日、「鼓童アーツ・スフィア・アメリカ(KASA)」の設立を記念した鼓童の特別ベネフィットコンサートが、アメリカ合衆国ワシントン州シアトルにて行われました。KASAの公式的なデビューを記念したこの公演は、シアトル地域の太鼓グループや一般の多くの方々に支えられ、コミュニティ・イベントともよべるようなコンサート以上のものになりました。
舞台の幕が上がる前から、地元の太鼓グループである「シアトル古今太鼓」、「ワン・ワールド太鼓」の皆さんが、活気に満ちた演奏でロビーをわかせてくださいました。見に来てくださった観客の方たちにも、太鼓の演奏者と話したり、間近に太鼓演奏を見ていただけるよい機会ともなりました。演奏の最後には、他の4つのシアトルの太鼓グループからも奏者が加わり、さらにはそれを聞きつけた楽屋の鼓童メンバーも一緒になって、盛大な「太鼓ジャムセッション」となりました。齋藤栄一率いる鼓童メンバー数名が、突然ロビーに現れて、ジャムセッションに乱入したかと思うと、鼓童の貴重な踊り手、小島千絵子がまわりの様子もお構いなしに、場内の皆さんを集めて一気にジャムセッションのフィナーレを盛り上げてしまいました。公演会場のベネロヤ・ホールは、シアトル・シンフォニーの劇場でもありますが、今までロビーでこのようなことがあったことは、恐らくないでしょう。客席が開場したときには、観客の皆さんの息もすでに上がっていたようです。まもなく始まろうとする鼓童の公演のチケットはすでに完売となっていました。
私自身、これまでに何百という数の鼓童公演を見ていますが、今回の公演は、特に心に残る1つとなりました。4週間にわたるアメリカツアーの最終日ということもあり、会場の空気はKASAへの祝福と人々の熱気であふれていました。「KASA 2002北米ワークショップ・ツアーを終えたばかりの鼓童メンバー、藤本容子、小島千絵子は、このシアトル公演のために、特別に合流してくれました。この2人に、鼓童の若手、石塚充が加わって、特別編成の「花八丈」が演奏されました。この演目は今回の鼓童USツアーでは、他の開催地で演奏されておりません。そればかりか、容子、千絵子の2人は、アンコールの「族」に野球バットのような形の大きなバチを抱えて登場し、おなじみの大きな平胴太鼓を思いきりたたきながら参加してくれました。
終演後のロビーでは、KASAの資金集めを目的とした、鼓童関連品のオークションが行われました。一番人気は、藤本吉利がその日の公演で使用したサイン入りの大太鼓バチと、鼓童メンバーのサインが入ったポスターの各種でした。オークションの終わりには、斎藤秀之も急遽じゃんがらを提供してくれて、その場にいた太鼓演奏者の間では、じゃんがらをめぐって、ちょっとした戦いとなったようです。最後の最後には、KASAの良き友人である「ポートランド太鼓」の皆さんが、競り落としてくれました。最終的に、このオークションでKASAへは約1000ドル(≒12万円)の寄付がいただけました。
最後になりましたが、今回の公演を支えてくださいました、大勢の皆様への感謝の気持ちを捧げます。この公演では、異なる人々が音楽を通して人間性を喜び合うという、まさにKASAの本来の希望が、かたちとなって実を結びました。皆様、ありがとうございました。