太鼓芸能集団「鼓童」代表 船橋裕一郎

船橋裕一郎

2017年の新たな年がスタートいたしました。昨年は、35周年という節目のなか多彩な舞台を各地でお届けする事ができましたこと、改めて感謝申し上げます。

本年は『打男』北米ツアー、初音ミクとのコラボ、『道』の再演から始まり、坂東玉三郎さんとの共演2作目となる『幽玄』や『佐渡宿根木公演』『交流公演』など、上半期だけでも多様に満ちた活動を予定しております。

現在、私達は進化と深化、2つの『シンカ』を遂げるべく精進しております。毎年玉三郎さんのご指導のもと新作を届け続け、昨年の『螺旋』では、演奏者としてそのことに実感をともなった音を届ける事ができました。春からの新作『幽玄』では、能楽を題材にさらなる『シンカ』の具現化を進められると思っております。現在、稽古を進めて行く中で、長い歴史に裏打ちと洗練に洗練を重ねた能楽の世界に触れ、先生方のご指導に圧倒されながらも、舞台の形が現れるにつれ、現在の鼓童において能楽の世界の学びには、必然があったように強く感じています。私達が拠点とする佐渡は能が根付いている地です。神社には多くの能舞台があり、気候の良い季節は地元の方々による能の上演が頻繁に行われ、研修所でも地元の先生に能を教えていただいております。以前、先輩に、鼓童のスタートは宮本常一先生が仰られた「根を張ろうや」との言葉であったと教えて頂いた事があります。作品を通じ、私達の足下を見つめ直し、「先に進むこと」と「佐渡での足元を固める」こと。その2つを大切にすることで、進化と深化ふたつの『シンカ』を進める事ができると考えます。そして36年目の鼓童グループの根をより強靭なものとしていく所存でございます。

本年もまた皆様にとって良い年になりますよう、お祈り申し上げますとともに、変わらぬご支援と鞭撻をお願い申し上げます。

2017年1月
太鼓芸能集団「鼓童」代表 船橋裕一郎


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