よくいただく質問

2016年10月5日更新

鼓童を一言で紹介すると?

2012年より、鼓童は正式名称を「太鼓芸能集団 鼓童」としています。鼓童をご紹介いただく時には、最初の一度はまずこの正式名称でお願いいたします。 ご紹介いただく時は「佐渡を拠点に、国際的な活動を行なっている太鼓芸能集団」、「日本の伝統芸能を現代に再創造し、新しい舞台表現を創りだしているグループとして、世界各地で高い評価を得ている」などと、加えていただければ幸いです。

鼓童は、佐渡の伝統芸能ですか?

鼓童は佐渡の伝統芸能を継承している保存団体ではありません。 佐渡は芸能の宝庫であり、長年拠点としておりますので、さまざまな形で影響を受けていますが、佐渡の伝統芸能の鬼太鼓(おにだいこ)から直接的な影響を受けて生まれたグループではありません。ただ近年は、鼓童メンバーを目指す人のための研修所(鼓童文化財団研修所)のカリキュラムの一環として、地元集落に伝わる伝統芸能の鬼太鼓(おにだいこ)を教えていただいていることもあり、この鬼太鼓を題材にした演目も演じられています。
また、鼓童の前身のグループ名が「鬼太鼓座(おんでこざ)」でしたのでよく混同されるのですが、現在「鬼太鼓座」は佐渡から離れ、別のグループとして活動されています。初期の鬼太鼓座を主宰していた故・田 耕(でん・たがやす)氏が1980年代初期に佐渡から離れ、新たに別のグループとして「鬼太鼓座」を結成されましたが、鼓童とは関わりがありません。さらに、海外では「Kodo」という言葉自体が「和太鼓パフォーマンス」の意味に使われていたり、CMなどで鼓童のスタイルが似た演奏が使われることもありますが、お間違えなきようお願いいたします。

メンバーの構成は?

(2016年10月現在)舞台メンバー30名(男性22名、女性8名)、舞台準メンバー5名が在籍しています。そのうち4名(藤本吉利、小島千絵子、藤本容子、山口幹文)を名誉団員としています。鼓童メンバーの年令は21歳〜64歳(平均年齢 31歳)。スタッフは31名、このほかに研修生やお手伝いなどを含めると、関係者は約100名ぐらいになります。佐渡出身者はスタッフ5名で、大半が北海道から沖縄まで全国各地から集まってきています。

鼓童グループの構成は?

鼓童は、ほぼ通年、「ワン・アース・ツアー」「交流学校公演ツアー」のほか、小編成やソロでの出演など、さまざまな形態で同時に活動しています。
そうした鼓童の活動の企画制作・マネジメントを行なっているのが、[株式会社 北前船(きたまえせん)]、また[有限会社 音大工(おとだいく)]では、音楽出版、著作権の管理を行なっています。このほかに[公益財団法人 鼓童文化財団]があります。演奏者、スタッフのほかに研修生、専任アルバイトを含めると、総勢で100名を超えるグループになります。

生活は?

公演ツアーが長期にわたることも多く、2つから3つのチームが同時に違った場所で公演を行うこともあります。およそ1年の3分の1を海外公演、3分の1を国内公演、残りの3分の1を佐渡で過ごしています。結成当初は共同で生活をおこなっていたこともありますが、現在では寮に住む若いメンバーを除いては、近隣に家を持つなど、それぞれ独立して地域社会に溶け込んでいます。
またメディアで取り上げられることの多い「早朝マラソン」は、現在は研修生の体力づくりの日課の一つとして形を変えて行われていますが、鼓童のメンバーは行なっておらず、各自の責任判断でトレーニングや身体のケアを行なっています。

鼓童のメンバーになるためには?研修所とは?

佐渡市柿野浦(かきのうら)地区にある鼓童文化財団研修所は、廃校となった中学校を一部改造した建物で、舞台を目指す研修生は、そこで2年間共同生活をしながら、身体作りや、太鼓、笛、唄、踊りなどの稽古に打ち込みます。カリキュラムにはこのほかに能・狂言などの伝統芸能や、茶道や農作業なども含まれます。研修所を修了後、準メンバー選考を経て、さらに1年間の実地研修をした後に正式メンバーになれるかどうかが決まります。

なぜ佐渡に?

佐渡で活動が始まったのは1970年代のこと、若者離れが問題化していた当時の佐渡で、日本の伝統芸能・工芸を学ぶ大学を造り、若者を集めよう、そのために太鼓をもって世界を回り、ネットワークづくりと資金を集めようということからでした。現在の鼓童は太鼓を中心とした芸能活動で、長年にわたって数多くの海外公演の実績を持つ日本でも有数のアーティスト集団となっていますが、創設時の構想は、鼓童村開村や鼓童文化財団設立など、今も形を変えてつながっています。豊かな自然に囲まれ、さまざまな芸能が現在も息づく佐渡に暮らすことは、私達の創作活動に測り知れない影響を及ぼしているといえるでしょう。

和太鼓だけの舞台?

鼓童の舞台は和太鼓が主ですが、笛・踊り・唄・箏・三味線・鳴り物・西洋楽器(ティンパニー、スネア等)・民族楽器なども使われ、全体で一つの流れを構成しています。曲は、日本各地の伝統芸能を素材にしたもの(「大太鼓」「屋台囃子」「三宅」他)、現代音楽の作曲家などに依頼して創られたもの(「モノクローム」「千里馬」「カデン」他)、それからメンバー自身が創りだしたもの(「族」「彩」「草分け」他)があります。公演は通常約2時間です。

太鼓の種類は? 数は? 大きさは?

鼓童で使っている太鼓は、大きく宮太鼓(くり抜き胴のもの)と桶太鼓(桶胴で、ロープで締めてあるもの)と締太鼓(くり抜き胴で、ロープで締めてあるもの)に分類されます。宮太鼓はさらに胴の大きさ・長さによって「大太鼓」「中太鼓」「平胴太鼓」と呼んでいます。大太鼓は、欅やアフリカ産の唐木の胴に、牛の一枚皮が片面ごとに張られており、面の直径は3尺7寸(1m12cm)、屋台の部分も含めると重さは400kgになります。使用する数は、劇場での公演では30~50台ぐらいになります。

坂東玉三郎氏との出逢い

2000年、坂東玉三郎氏は初めて佐渡・鼓童村を訪れました。共演との考えもありましたが、まず2003年に鼓童単独の舞台「鼓童ワン・アース・ツアー スペシャル」を演出していただきました。その後、2006年に共演の舞台「アマテラス」を主演・演出。同作は2007年に歌舞伎座で再演、2013年の再々演では東京・福岡・京都で合計67回の全公演がソールドアウトになりました。
さらに特別公演として「打男 DADAN」を演出(2009年初演)。国内各地のみならず、シャトレ座(フランス・パリ)や、リヨン(フランス)、スペイン各地で公演を行なっています。
そして2012年より4年間、芸術監督として着任、鼓童の舞台創造全体に関わっていただきました。就任後の演出作「鼓童ワン・アース・ツアー~伝説(2012年初演)」に続き、「神秘(2013年初演)」「永遠(2014年初演)」「混沌(2015年初演)」と、現在は一年に一作のペースで作品を発表しています。 坂東玉三郎氏の指導により、鼓童はこれまでに培ってきたものを地盤に、より高度な舞台表現を目指し、精進してまいります。

坂東玉三郎氏演出の作品

・「鼓童ワン・アース・ツアー スペシャル」

2003年初演。約3年の月日を費やし、メンバー一人ひとりとの対話の中で生まれた作品。第2部で演奏する「佐渡へ」は、太鼓、鳴り物、唄、笛、三味線、箏などのアンサンブルによる約20分の大曲で、これまでの歩みを元にしつつ、鼓童の未来への可能性を予感させる作品となった。

・「アマテラス」

2006年初演、2007年歌舞伎座で再演、2013年新演出での再演、2015年再演。 初めての共演となった作品。日本神話の「岩戸隠れ」を元にした太鼓音楽舞踊劇、演奏者だけでなく、演技者としての表現も求められ、鼓童の歴史において記念碑的な作品となった。2013年の再演ではアメノウズメ役に元宝塚歌劇団スターの愛音羽麗氏を迎え、のべ3ヶ月のロングラン公演を行なった。また本作に想を得た共演作品として、2012年「いぶき」、2013年「アマテラス幻想」を旧金毘羅大芝居(金丸座)で上演した。

・「打男 DADAN」

2009年初演、2010年、2012年、2013年、2014年、2015年再演。選りすぐりの男性奏者が疾走し、ひたすら叩き続ける、圧巻の90分。2009年の初演以来、再演ごとに新たな演出が加えられ、現在も進化を続けている。2012年にはパリ・シャトレ座、2014年にはスペイン5都市と、仏・リヨンでのツアーを行った。

・「鼓童ワン・アース・ツアー~伝説」

2012年初演。日本、アメリカ、ヨーロッパで123回の公演を行ない、14万人以上を動員した。前身の鬼太鼓座から永く演奏されてきた楽曲の数々に、現役の演奏者の作品や坂東玉三郎氏作曲の新曲を加えた作品。冒頭を飾る「カデン」(坂東玉三郎作曲)は音楽的に高い評価を受け、その後の作品作りに大きな影響を与えた。

・「鼓童ワン・アース・ツアー~神秘」

2013年初演。既に日本とアメリカ、カナダで92回の公演を行ない、2015年にはヨーロッパ公演を予定。いにしえから日本に伝わる神事(カミゴト)をモチーフに、日本人の心に潜む「神秘」の感覚を、光と闇の交錯の中に表現。石見神楽の大蛇や秋田のなまはげなど、民俗芸能の演劇的な要素が盛り込まれた、奥行きある作品。

・「鼓童ワン・アース・ツアー~永遠」

2014年初演。2015年に国内ツアーを開催。無限の螺旋のように続いていく時間の、森羅万象の果てなき営みの中に垣間見える「永遠」の感覚を、幅広い音色の打楽器で色鮮やかに表現。さらにこの作品では、鬼太鼓座から鼓童にかけてのこれまでの楽曲を採用せず、楽曲をすべて一新。従来のイメージに縛られない全く新しい次元の舞台が現出した。

・「鼓童ワン・アース・ツアー~混沌」

2015年初演。2016年に国内ツアーを開催。元 THE BLUE HEARTS のドラマー・梶原徹也氏をドラム監修に迎え、ドラムセットやタイヤにテープを巻いたタイヤドラムなど、新たな打楽器を取り入れての構成に挑戦。「混沌から融合へ」音が飛び交い、転がり、混ざり合いやがて調和を生み出す、好奇心と創造性に富んだ作品となった。

・「鼓童ワン・アース・ツアー~螺旋」

2016年「鼓童創立35周年記念コンサート」にて初演、その後4ヶ月の国内ツアーを開催。過去の楽曲に現代の発想で取り組み、鼓童の新時代を担う若手メンバーが新たな解釈で表現。鼓童の代表演目とされてきた『大太鼓』では西洋楽器を取り入れ、新曲『螺旋』では『三宅』『屋台囃子』のフレーズが垣間見えつつ西洋楽器と混ざり合うなど、これまでに演奏してきた曲の数々をたどりながら現在の鼓童の舞台表現が濃縮された楽曲となった。

・「鼓童ワン・アース・ツアー~幽玄」

2017年5月初演~6月、9月国内公演予定。能の世界を鼓童の音色で表現。「お能の様式そのものは使えないですから自分たちが使ってきた楽器で、能や歌舞伎の囃子方では使わない楽器で稽古をしていかなければなりません。同じ楽器を使ってしまえば、専門家の方が素晴らしいに決まっているわけですから、自分たちの楽器を使って表現できるように稽古しています。」(坂東玉三郎氏インタビューより)

鼓童は、法人としてはどのような構成になっているのですか?

鼓童というグループ名のもとに、太鼓芸能集団「鼓童」を運営する「株式会社 北前船(きたまえせん)」と、著作権管理を行う「有限会社 音大工(おとだいく)」、そして、社会教育や地域還元に重点を置いた公益活動を行う「公益財団法人 鼓童文化財団」という、3つの法人で組織されています。なお、国際芸術祭「アース・セレブレーション」は、鼓童が佐渡市と共に結成する実行委員会で主催しています。

結成30周年記念誌「いのちもやして、たたけよ。– 鼓童30年の軌跡 –」

2011年、結成30周年を機に鼓童の活動を集大成した「いのちもやして、たたけよ。ー鼓童30年の軌跡ー」を出版しました。日本の太鼓芸能を舞台表現へと確立し、国内外の芸能、舞台芸術、音楽表現に大きな影響を与えてきた鼓童の、集団誕生から今日までの成り立ちと試行錯誤、佐渡という風土に育まれながら世界を旅し異文化と出会い人々との交流を通じて成長してきた様子など、活動体としての息吹、脈動を生き生きと伝えながら、鼓童の生きる姿を描きいています。ぜひ多くの方に手に取っていただきたい一冊です。

いのちもやして、たたけよ。– 鼓童30年の軌跡 –

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