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Tag ‘内田依利’

10月19日21時〜AbemaTV「Abema Prime」に鼓童出演&生演奏!


10月19日21時〜AbemaTV「Abema Prime」に鼓童出演&生演奏!

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無料のインターネットテレビ局「AbemaTV」内『Abema News』チャンネルにて放送中のニュース番組「Abema Prime」に、鼓童から船橋裕一郎、中込健太、内田依利、小池将也の4名が出演します。生演奏&トークをお見逃しなく!

▼出演映像UP!(2016/11/5)

▼番組は以下のリンクからご覧いただけます。(10月19日 21:00〜23:00)
https://abema.tv/now-on-air/abema-news

 

Abema Prime

放送局:AbemaTV(無料のインターネットテレビ局)『Abema News』チャンネルにて生放送
放送時間:10月19日 21:00〜23:00(※ 鼓童の出演は22時前後の予定)
鼓童出演者:船橋裕一郎、中込健太、内田依利、小池将也
番組WEBサイト: AbemaPrime http://news-prime.abema.tv/
備考:けやき坂スタジオより生放送
番組紹介:19日、無料のインターネットテレビ局・AbemaTV内「Abema News」チャンネルにて放送中のニュース番組「Abema Prime」に日本が誇る太鼓芸能集団「鼓童」が生出演!数々の海外公演を成功させた彼らがスタジオで生パフォーマンス! 小松アナも太鼓に挑戦!?


菅波じゃんがら念仏ご挨拶/内田依利


菅波じゃんがら念仏ご挨拶

いわき公演の前日に、鼓童がお世話になっている「菅波じゃんがら念仏」の皆さんにご挨拶に伺いました。
じゃんがら念仏は鼓童の「八重の浮立」という演目を創る際に、勉強させていただいた芸能です。

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私は7年前、メンバーになりたての頃に、「八重の浮立」をやるので稽古に行かせて欲しい!と懇願して伺ったのが初めてです。
2日半まるまる稽古をつけていただき、じゃんがらの稽古はもちろん、祭りの話や生活の話も、お酒を酌み交わしながらたくさん聞くことができた大変濃い時間でした。
私は演目の稽古ということで、どうしても芸能を学ぶことだけにフォーカスしていましたが、
芸能は青年会の地域の活動の一つでしかなく、最も大切なのは生活であり、地域のつながりであることを実感しました。

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地元には3年ぶりに伺いましたが、ここ10年くらいで一気に人が減って集まりにくくなっているとも聞きました。
今回伺った鼓童メンバーのほとんどは、じゃんがら念仏をみるのは初めてでしたが、芸能を目の当たりにすることはいつでも大変勉強になります。
これからも、世代が変わってもつながって行けるよう、日本中世界中を旅を続けて行けるよう頑張ろうと思う1日でした。

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鼓童ワン・アース・ツアー2016〜螺旋

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公演紹介
http://www.kodo.or.jp/news/20160900oet_ja.html

スケジュール
http://www.kodo.or.jp/oet/index_ja.html#schedule26a

内田依利
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9月9日、16日 J-com「エンタメJAM」鼓童特集(中込健太、内田依利出演)


J-com「エンタメJAM」で鼓童特集

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中込健太、内田依利が9月9日、16日放送のJ-com「エンタメJAM」鼓童特集に出演します。演奏もあります、ぜひご覧ください。

【放送局】J:COMテレビ(J:COM登録済みであればご覧いただけます)

チャンネル番号(地デジ)
・札幌・仙台・関東エリア 10ch
・関西・福岡・北九州エリア 12ch
・下関エリア 111ch
・熊本エリア 11ch

1)J-com:エンタメJAM ♯37
9月9日(金)23:00〜
再放送(9月11日(日)23:30〜、9月14日(水)14:00〜、9月15日(木)14:00〜)

2)J-com:エンタメJAM ♯38
9月16日(金)23:00〜
再放送(9月18(日)23:30〜、9月21日(水)14:00〜、9月22日(木)14:00〜)

エンタメJAM http://www2.myjcom.jp/special/jtele/entamejam/

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公演紹介
http://www.kodo.or.jp/news/20160900oet_ja.html

東京・多摩公演(9/17,18)
http://www.kodo.or.jp/oet/20160917-18a_ja.html

埼玉・和光公演(9/19)
http://www.kodo.or.jp/oet/20160919a_ja.html

神奈川・横浜公演(10/26)
http://www.kodo.or.jp/oet/20161026a_ja.html

ほか、北海道から福岡まで全国ツアー中!

ツアースケジュールをチェック
http://www.kodo.or.jp/oet/index_ja.html#schedule26a

 


「螺旋」仙台公演PR/小松崎正吾


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9月6日仙台にて依利さんと、9月29日に行われる螺旋公演のPRをさせて頂きました。お近くの方は是非お誘い合わせの上、仙台でしか感じることの出来ない音を体感しに、劇場へ足をお運び下さい‼︎

内田依利・小松崎正吾 番組出演

東北放送ラジオ「うたまつり」
放送日:9月25日(日)正午12時30分~13時

ラジオ3「マイタウンレディオ」 
放送日:9月21日(水)15時~16時55分

ラジオ3「トーク&トーク」
放送日:9月27日(火)12時~12時30分
再放送:9月27日(火)17時~17時30分

Photo: Takashi OkamotoPhoto: Takashi Okamoto

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鼓童ワン・アース・ツアー2016~螺旋
http://www.kodo.or.jp/news/20160900oet_ja.html

2016年9月29日(木)18:30 宮城県仙台市 東京エレクトロンホール宮城


水口囃子レクチャー&デモ/内田依利


Earth Celebration 2016
水口囃子レクチャー&デモ

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今回「Earth Celebration」で水口囃子のレクチャー&デモを企画しました! せっかく佐渡まではるばる来るこの機会に、もう一歩踏み込んで日本の芸能の奥深さを、滋賀県無形民俗文化財の「水口囃子」を通して学んでみませんか。お話に加えて、鼓童メンバーも混じってのデモ演奏もあり、みなさんに実際に体験してもらう時間もありと盛りだくさんです。英語でのサポートもあります。

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ただいまデモ演奏とフリンジに向けて、鼓童メンバーも水口囃子特訓中です! EC2日目午後、ハーバーの目の前の涼し〜いマリンプラザでの「水口囃子レクチャー&デモ」。沢山の皆様のご参加をお待ちしています。

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Earth Celebration 2016(新潟・佐渡市)
8月27日(土)14:00〜15:30 水口囃子レクチャー&デモ(@マリンプラザ小木2F)

水口ばやしは、滋賀県甲賀市にある水口神社の例大祭で曳き出される曳山の中で演奏されるお囃子です。全国でも愛好者の大変多いお囃子で、そのメロディはジャズ調あり、マンボ調あり、そしてうねるようなテンポチェンジが特徴です。今回は地元の方が、お祭りの背景も交えながら、そのお囃子に込められた「こだわり」を教えてくれます。息遣いの聞こえる距離での演奏、そして希望者による体験も!そんな贅沢な時間、ぜひ気軽に楽しみに来てください。鼓童の見留知弘も演奏に参加させていただきます!(ナビゲーターは鼓童・内田依利)

【お申し込み】鼓童チケットサービス

  • Tel. 0259-86-2330(月~金 9:30~17:00)Fax. 0259-86-3631 
  • Email: ticket@kodo.or.jp

イベント詳細:http://www.kodo.or.jp/ec/event/lecture/mizuguchi/


【鼓童TV出演】テレビ愛媛に中込健太、内田依利、小池将也が生出演&生演奏!


7月1日テレビ愛媛「つながるワイドほ〜なん」

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7月1日テレビ愛媛「つながるワイドほ〜なん」に鼓童・中込健太、内田依利、小池将也が生出演&生演奏! 「混沌」の魅力を語ります。坂東玉三郎芸術監督のインタビュー映像も紹介されます。(鼓童の出演は16:30頃の予定)。放映地域の皆様、是非ご覧ください。

テレビ愛媛「つながるワイドほ〜なん」
7月1日 15:50~17:53 ※鼓童の出演は16:30頃の予定
出演者:中込健太、内田依利、小池将也
http://www.ebc.co.jp/bangumi/ho-nan/

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鼓童ワン・アース・ツアー2016~混沌

2016年7月2日(土)18:00 愛媛県松山市 松山市民会館
http://www.kodo.or.jp/oet/20160702a_ja.html
2016年7月3日(日)17:00 愛媛県宇和島市 南予文化会館
http://www.kodo.or.jp/oet/20160703a_ja.html


ドイツ・ベルリンフィルハーモニーでバースデー!/梅垣晶子


ドイツ・ベルリンフィルハーモニーでバースデー!

3月15日は、ヨーロッパでも名高いベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地、ベルリン・フィルハーモニーでの公演でした。
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劇場は五角形、ホールはステージと客席が一体になるような球体をイメージしており、360度全ての座席に沢山のお客様が入り、普段は中々見ることの出来ない角度からのパフォーマンスをご覧いただきました。

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そして、この日はメンバーの内田依利さんの誕生日ということで、本番前にお祝いをしました!

Photo: Akiko UmegakiPhoto: Akiko Umegaki

益々、素敵な女性プレーヤーになっていく依利さんに乞うご期待です!

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梅垣晶子(「神秘」欧州ツアー制作)

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2016年1月〜3月「鼓童ワン・アース・ツアー2016〜神秘」
(ヨーロッパ)
http://www.kodo.or.jp/news/20160130oet_ja.html
鼓童協賛クレジット
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スイス・チューリッヒでの内田依利ワークショップ!/高城みお


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スイス、チューリッヒの太鼓グループ、ツリ太鼓の主催で内田依利がワークショップを行いました。

最初は少し硬かった身体も時間と共に少しずつ解れていき、最後は2チームに分かれて口唱歌と共にそれぞれのニュアンスで太鼓を披露し合いました。

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身体全体を使って太鼓を叩く、周りと間や呼吸を合わせる、など太鼓を叩く上で大切な基本をが伝わったのではないかと思います。

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ワークショップに参加して下さいました皆様、ありがとうございました!

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2016年1月〜3月「鼓童ワン・アース・ツアー2016〜神秘」
(ヨーロッパ)
http://www.kodo.or.jp/news/20160130oet_ja.html
鼓童協賛クレジット


『タイヤ、揚琴、ドラム、そして太鼓』2015 真夏の「混沌」稽古場レポート/伊達なつめ


タイヤ、揚琴、ドラム、そして太鼓
2015 真夏の「混沌」稽古場レポート

文●伊達なつめ 写真●岡本隆史

Photo: Takashi Okamoto

「まだ、まとまらないんですけど」
「いいの、〝混沌〟だから」

「ちょっと、ごちゃごちゃしちゃって」
「まさに〝混沌〟じゃないか」

2015年8月上旬に訪ねた佐渡の稽古場では、何かにつけて今回のワン・アース・ツアーの新作タイトルが連呼されて、場をなごませていた。

Photo: Takashi Okamoto

〝混沌〟は、辞書には『ものごとが整っていないさま』とあるけれど、本来、世の中ってそういうものでしょう。システム化されて国だの政治だのになってはいても、人間は、整理整頓などされていませんからね。これまで『伝説』では各時代の作曲家の作品を並べ、『神秘』で闇というものに向き合い、『永遠』では曖昧な雰囲気が繰り返されるものを表現してきたので、今回は〝グチャグチャで楽しめる〟感じでいこうと思います。とにかく、いろいろな楽器が出てくることにしたいんです。ドラムも、タイヤも、揚琴も」

と、玉三郎芸術監督。そんなわけで今回は、つねにも増してユニークな楽器が登場している。まず、目を引くのは、冒頭にコロコロと転がってきて、その後、楽器と化すタイヤ。これは小田洋介さんのアイデアで取り入れられた。

Photo: Takashi Okamoto

「アメリカ・ツアーに演出補佐で参加していた際にワークショップをやったんですが、そこで、アメリカの人たちがタイヤを叩いているのを見たんです。あくまでも、高価で太鼓が買えないための代用品なんですが、タイヤを楽器として使ったら喜ばれるんじゃないかと、フッと玉三郎さんのことが頭に浮かびまして。提案したら『音が聞きたい』ということだったので、いくつか曲を作ってみたら、けっこう音が出たんです。皮の代わりに張ってあるのはビニールテープなので、耐久性を心配したんですけど、フルパワーで2時間叩いても、大丈夫だったんですよ。大きなバット撥で叩くと、意外といい音が出ます

これを実際に舞台で叩くのは、主に三人の女性たち。そのうちのひとり内田依利さんは、カナダに留学していた学生時代にも、タイヤを楽器として叩いた経験があるそう。

「わりと、日本より海外の方が多いかもしれないですね。タイヤとか、水道のパイプみたいなものにテープや皮を貼って、人前で演奏していました。そうやってふつうにやってはいましたけど、タイヤは、打ってもぜんぜん撥が跳ね返ってこないので、意外ときついんですよ。振動がまったくなくて、ニュアンスが出ないので、とにかくウワーッと力を込めて叩きます。ビート感はわりと出るので、細かいことはあまり考えずに、どんどんとノリをよくしながら、ただただ振り回す感じです(笑)」

女性たち3人は、第一幕は太鼓のコミュニティーにドラムやタイヤという異物を持ち込み混沌をもたらす、アウトサイダー的存在として登場。 バット撥を力任せに振り下ろす姿は、かなり迫力があってコワい。

Photo: Takashi Okamoto

荒っぽいタイヤに比べて、より繊細さが強調されるのが、中国の打弦楽器、揚琴(ようきん)。船橋裕一郎さんが、メロディアスな音色に挑戦している。

Photo: Takashi Okamoto「こういう音を入れてみたいという話は、最初から聞いていたんですけど、まさか自分がやることになるとは。たまたま、ほかのメンバーがほぼ全員出ているシーンを眺めていたら、玉三郎さんと目が合ってしまったんです(笑)。先日、揚琴の演奏家の先生に来ていただいたんですが、あまりにもすご過ぎて、汗が出ました。一弦叩くと、ひとつの音に三〜四本のワイヤーが触れて和音になるんですが、メロディー楽器をあまりしていなかったので、間違いなく決まった音階のある細い弦を叩くのが難しいです。叩くといっても打ち付けるのではなく、一瞬のタッチでないと鳴らないし。とはいえ、同じ打楽器の仲間ではありますから、共通点はあるはず。いちばんいいタッチのしかたを、見つけられればと思います

さて、混沌をもたらす3つ目の楽器は、ドラムだ。スネア(スタンドで腰の高さに設置したドラム)やタムタム(ドラムセットでは上部に設置される2つ並んだドラム)といった単体で使用されるほか、今回はドラムセットによる三人のソロ演奏まで披露される。そのうちのひとり坂本雅幸さんは、かつてプロのドラマーを目指した経験者。

Photo: Takashi Okamoto「学生のころずっとやっていたので、太鼓を始めたころは、『打ち方がドラムっぽい』と散々言われていました。ドラムは手首を使うんですが、和太鼓は肩と全身を使って打つものなので、同じ太鼓でもぜんぜん違うんですよ。昔から感じていたことですが、ドラムと和太鼓を合わせるのは、すごく難しいものなんです。まず、響きのタイミングが違う。ドラムはヒットした瞬間の音がすべてですけど、和太鼓は打った後の響きの方が、大きくなります。それから音色自体も、ドラムはガシャガシャしているように聞こえますが、実はかなり豊かで、洗練されている。これと比べると和太鼓は、だいぶ原始的なんです。
今までもいろいろな楽器を使ってきましたけど、ドラムは、和太鼓に対してもっとも違和感があって、手をつけにくかったんです。今回は、それに敢えて挑戦する、ということになるので、今は和太鼓の打ち方を変えて、合わせていこうとしています。いつものようにドスンと打ち込むと、深く響き過ぎてしまうので、表面の音を出そうと、探っている最中です。和太鼓とドラムのセッションはよくありますけど、想像できるようなものになってしまうと意味がないので、ぶっ飛ぶようなものにしたいんですよね。僕はドラマーとしては技術屋の方だったんですけど、小手先のドラマーって、あまりおもしろくないじゃないですか。すごいドラマーというのは、技術ではない、もっと別の次元のものを持っています。鼓童には〝別のもの〟だけはあるので(笑)、それが出せるようにならないと

住吉佑太さんは、作曲で大忙しのなか、ドラムにも挑戦して、坂本さんの言う「別のもの」ぶりを遺憾なく発揮している。

Photo: Takashi Okamoto「玉三郎さんは、『ドラムを力いっぱいぶっ叩け。クレイジーになりなさい』とおっしゃるんです。これは僕の認識ですけど、大太鼓を叩く場合は、その行為は音楽的な部分を超えて、精神的な部分が重要になってくるんですよ。手先でできるものではないので、体力をめっちゃ使って打ち込んで、しんど過ぎて何も考えられなくなってきて、若干トランス気味になるくらい。そんな状態であるために、叩く際にウォーッっという底力が自然と沸いてきて、太鼓に打ち付ける感じなんですけど、『それと同じことを、ドラムでやってみなさい』と言われている気がするんです。太鼓とドラムの、外側ではなく、内側にある共通項を見つける作業なんじゃないかと。だから、今はとにかく思いっきり叩いています。立ち上がって叩くは、シンバルのネジは飛ぶは、もうすごいです(笑)

楽器としてのドラムと和太鼓の違いも、強く感じます。そもそもドラムセットは、人数が足りないからひとりで叩けるようにという、利便性でつくったものじゃないですか。すごく合理的なんですよね。それに引き替え和太鼓は、なんでこんな打ち方しなきゃいけないんだというほど、不合理で理不尽。屋台囃子なんて、腹筋しながら(無理な体勢で)打つわけですからね。この相反する二つをどう合わせていくかは、ただいま模索中です。ドラムの基礎は習ったんですが、ぜんぜんできてなくて、マイナスからのスタートですけど、『太鼓打ちのドラムを』と玉三郎さんに言われているので、なんとか新しい音を見つけたいと思っています」

Photo: Takashi Okamoto

ドラムのソロを披露する小田さん、坂本さん、住吉さんの三人は、三年前から元ザ・ブルーハーツのパワフルなドラマー、梶原徹也さんの指導を受けてきた。『混沌』における三人三様のまったく異なるソロは、タイトルにふさわしい見どころ・聴きどころのひとつとなっているが、そこには時間をかけて彼らと向き合ってきた、梶原さんの尽力がある。

Photo: Takashi Okamoto

「坂本雅幸くんは、プロのドラマー志望だっただけあって、最初からわりと何でもできたので、速いパンクなども含めたいわゆるロック・ドラムを。小田洋介さんは、僕と同じ猪突猛進型なので、『ブルーハーツ仕込みの伝家の宝刀を君に伝えよう!』と、まっすぐなエイトビートを伝授しました。住吉佑太くんは、エイトビートがうまくいかない代わりに、ワールドミュージック系のなまった感じのビートを出すのが得意なので、足を省略して手のニュアンスで攻めるようにしたら、いきなり伸び始めました。ふつうのロック・ドラムとはぜんぜん違う彼の持ち味が、そのままドラムに反映されています。彼らはみな超一流の打楽器奏者ですから、爆発していくシーンで、自分のエネルギーを楽器に託して表現する術を、知っているんですよね。先日の練習でそれが確認できたので、もう何も心配する必要はないと思っています。バッチリです!」

こうした新たな楽器へのチャレンジが続くなかにあって、中込健太さんは、ワン・アース・ツアーとしては久しぶりとなる大太鼓(※)に向き合っている。
※平桶大太鼓による「大太鼓」スタイルの演奏

Photo: Takashi Okamoto「これまで鼓童がやってきた、屋台の上に載せて打つ大太鼓のスタイルでは、ある形式ができあがっていて、先輩たちが創り上げたものに自分が乗っかっていき、そこから外れないようにしつつ、自分ならではの個性を出す、ということが求められていたんです。今回は、そうした今までの鼓童の大太鼓とは違う役割で、単にひとつの楽器として存在すればいいのかな、と思っています。でも、大太鼓には、どうしても楽器ではない存在感を感じてしまうんですよ。〝樹齢何百年という木に、生きていた牛の皮を張ったすごいもの〟に対峙するためには、それなりに自分の気持ちをととのえて向かわなければいけないので、音楽をやっているという意識が持てないんです。音楽として構成されているものの中に、そういう気分を持ち込んだら、どうなるのか。もしくは何か違うものが出てくるのか。そこがとても楽しみですね」

未知の楽器へのチャレンジと、西洋楽器ドラムの鼓童的解釈、そして、築かれた伝統を問い直す姿勢。どこまでもアグレッシブなアプローチが、〝混沌〟を生み出そうとしている。

Photo: Takashi Okamoto


【佐渡へ初演を観にいこう!】
23日、新作「混沌」佐渡初演!
http://www.kodo.or.jp/oet/20151123a_ja.html
11/22 17時まで受付:アミューズメント佐渡 Tel. 0259-52-2001、蔦谷書店佐渡佐和田店(窓口へ)
(鼓童チケットサービスでの受付は終了しました)
<当日券>23日14時より劇場で販売

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「混沌」作品紹介

スケジュール(2015年11月佐渡初演〜12月)

「混沌」ブログ


伊達なつめ(だて・なつめ)
演劇ジャーナリスト 演劇、ダンス、ミュージカルなど、国内外のパフォーミングアーツを追いかけ、女性誌『InRed』、『CREA』、新聞”The Japan Times” などへ寄稿。”The Japan Times” に英訳掲載された日本語のオリジナル原稿は http://natsumedate.at.webry.info/ で公開中。著書『歌舞伎にアクセス』(淡交社)ほか。


鼓童初!国外での交流学校公演/内田依利


鼓童初!国外での交流学校公演(カナダ)

Photo: Takashi Okamoto

2014年12月より日本の学校公演を演出してきて、子どもは周りの大人や環境に、良くも悪くもすぐに染まってしまうことを実感しました。

彼らは本当によくみています。というか肌で感じているのかな。今の大人や社会の鏡だと思いました。興味を持つもの、面白いと思うもの、笑いのツボ、集中できる時間、態度。子どもはいつの時代もまっさらで、可能性に満ちています。江戸時代だって、戦時中だって、今の子ども達だって、心と体は同じ造りです。インターネットで世界は繋がっていても、彼らにとってリアルな世界はまだ学校と家庭と、自分の足で歩ける範囲。それがその土地であり、国であり、この時代のような気がして。

そんなことを考えていたら、ふと、海外でも学校公演をしてみたくなりました。

鼓童は海外公演は毎年あります。すべて大きな劇場で、鼓童を見たくて、お金を払うことのできるお客様が来て下さっています。もちろん、そのようなお客様に満足して頂くのは簡単なことではないし、本当に有難いことです。

Photo: Yui Kawamoto

しかし学校で面白いのは、興味や意思と関係なく見せられていること、みんな授業の一環。そして色んな子が集まってます。家庭事情も様々、いま太鼓をみる気分じゃないという子も、きっといます。特にカナダは多民族国家。世界中からの移民で成り立っている国。特にモントリオールのあるケベック州はフランス語が主体なので、北米の他の地域ともまた違ったりもします。日本という島国で生まれ育った私には、想像できないような家庭環境や将来が待ち受けている人だっているでしょう。そんな中、日本や太鼓の紹介で終わるのでなく、この響きを生で感じたらどんな反応をするのだろう。

60分公演で、無謀にも言葉も話せないのに客席からつれてきて太鼓体験コーナーまで作ってしまいました。7人全員フランス語の自己紹介を時差ぼけのさなか丸暗記して。

Photo: Yui KawamotoPhoto: Yui Kawamoto

短大2校(ケベック州独特のシステム)と中学校1校。場所もカフェテリア、劇場、体育館とバラバラです。

Photo: Yui Kawamoto

中学校は対象が10歳〜13歳で響きすぎる体育館での公演でした。

始まった途端、子ども達のリアクションの大きさと言ったら! 担ぎ桶で入場してきたら、ノリノリで踊りだしそうな子、開いた口が塞がらないという子、床が振動してることに気がついて話しかけまくっている子。とにかく楽しんでいるようです。

終止”がやがや”と興奮覚めやらない様子でしたが、自己紹介が始まるとみんな静かに一生懸命聞いてくれました。鬼剣舞で刀を抜くと本気で怖がっている子がいたり、手が速く動くのが面白いのかずっと真似をしている子がいたり。

Photo: Yui Kawamoto

体験コーナーで、「太鼓やりたい人!」と聞くと、ほぼ全員かと思うくらい手を上げてくれて、選ばれた子は嬉しくて興奮しすぎて「オーマイガっ」を連発。「やまびこゲーム(※)」をやりましたが、まあリズム感のいいこと。

※やまびこゲーム…山彦のように、先導者の真似をするリズムゲーム

Photo: Yui Kawamoto

大太鼓では最初の一発は地震が起きたかと思うくらい、みんなで飛び上がって悲鳴を上げていましたが、一番集中して聞いていたように思います。

Photo: Yui Kawamoto

最後アンコールの帆柱起こし音頭では「よよーい!」と音頭をかけたら、子ども達みんなで返してくれて、唄っている最中しばらく「ヨヨーイ」とバックコーラスが入っていました。搬出では手伝ってくれる子どもまででてきて、なんだか感動してしまいました。

家に帰って(今日のことを)ご両親に何て言うのだろう。

でもまずは何かが伝わったこと。そしてこれを創る中で、やっぱり日本だろうが別の国だろうが、伝えることは変わらないこと。企画からブッキングから、ゼロからモノを創る大変さ、自分の甘さ。お手伝い頂いた嵐太鼓の皆さん、具体的に物事を進めてくれたスタッフの皆さん、そして素晴らしい音を届けてくれた演奏者に感謝です!

Photo: Yui Kawamoto

国が違っても、人種やしゃべる言葉が違っても、身体の造りはそう変わらないし、ハートビートは一緒!って言葉では分かっているけど、なんかどこか実感できていなかったような。そう言う時にやっぱり子どもたちの素直な反応が真実を教えてくれました。またこのエネルギー、音、愛、この先に繋げて、まずは残りの「輝夜姫」を楽しんできます。

Photo: Takashi Okamoto

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news20151015kaguyahime012015年10月15日(木)〜10月30日(金)
バレエ公演『輝夜姫 Kaguyahime: The Moon Princess』に鼓童が参加
(カナダ・モントリオール)
http://www.kodo.or.jp/news/20151015kaguyahime_ja.html

鼓童出演者:辻勝、 中込健太、 内田依利、 蓑輪真弥、 住吉佑太、 花岡哲海、 稲田亮輔

(Photo: Damian Siqueiros / Dancers: Jerimy Rivera & Edi Blloshmi)


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