公益財団法人移行の経緯

この度の公益財団法人への移行は、1896年(明治29年)に制定された民法の公益法人に関する規定が2006年(平成十八年)に110年ぶりに改正されたいわゆる「公益法人改革」への対応として行われました。この法律改正の背景には、日本政府が明治以来続けて来た官の統治下の公益法人制度を、市民の、市民による、市民のための制度に脱皮させるという意味があります。

そして、新制度では事業の公益性の有無にかかわらず設立できる「一般財団法人」と、民間有識者による委員会の意見に基づき行政庁が公益性を認定する「公益財団法人」の2つの法人格が生まれました。

公益財団法人の認定を受けるメリットとしては、名称の面から活動の「公益性」が分かり易くなります。また、公益目的事業として認められた活動は非課税となる他、「特定公益増進法人」という免税団体の認定への道が開け、鼓童の会に入会または寄付をいただいた際に税額控除が適用される点があります。

2011年11月1日 鼓童文化財団 公益財団法人移行のご報告

新法人の公益目的事業

  1. 伝統文化の調査研究を通して、芸術文化の振興を図る事業
  2. 研修および体験学習を通して、芸術文化と地域社会の担い手を育成する事業
  3. 国際的な文化交流および地域資源の活用により、地域活性化を図る事業
  4. その他、この法人の目的を達成するために必要な事業

新たな二つの取り組み

伝統芸能復興支援活動

東日本大震災において被災し、芸能や祭りの担い手である住民が離散している地域において、伝統芸能の復興が地域コミュニティの再生の大切な要素であると考えます。

鼓童文化財団では祭りの記録収集、情報提供の支援などを行ってきた経験を活かし、東北の方々の芸能や祭りへの思い、記憶を風化させないための聞き取り調査・記録収集・修復等を通じて伝統芸能復興支援を推進して参ります。

伝統芸能復興支援活動

【具体例】
東日本大震災の被災地に通い、時間をかけて地域の方々と関係をつくり、聞き取りを行いながら、伝統芸能復興への取り組みを支援、推進する。

郷土芸能復興に向けて
/月刊「鼓童」2011年7月号より(PDF 487KB)

新たな観光(ツーリズム)を通した佐渡島の地域活性化

当財団では、本年第三種旅行業の登録をいたしました。私達が観光事業に携わる理由は、伝統文化・芸能の基盤となる集落の活力を取り戻す力が観光にはあるという考えに基づいています。地域が外から人を迎えることで、賑わいが生まれ、集落の経済が活気づくと同時に、歴史・文化・自然などの地域資源の価値を地元が再発見し、訪れた人と共に、保存・活用など地域の課題を解決できる効果が期待されます。

2012年、鼓童が佐渡で初めて長期公演を行います。当財団では地域の皆様と共に、この公演を通して新たな観光を考え、実践して参ります。

佐渡島の地域活性化

【具体例】
小木半島はジオパーク(大地の公園)として新たに着目されている。現在その価値を地元が再発見し、観光資源としての活用を検討中である。

2012年 鼓童 佐渡特別公演

四つの活動の柱

「芸術文化の振興」「地域社会の活性化」 という二つの大きな目的を達成するために、鼓童がこれまでに得た経験やネットワークをもとに、以下の四つの活動を柱として事業を推進していきます。

伝統文化の調査研究を通した芸術文化の振興

佐渡の芸能、生活文化を中心とした調査研究や実践を通して、現代における伝統文化の活用の提言を行います。

芸術文化の振興

【具体例】
祭りは、芸能の奉納にとどまらず、若者が集落の歴史や慣習を学び地域の担い手として育つ通過儀礼であり、絆が生まれる場である。

研修および体験学習を通じた担い手育成

鼓童文化財団研修所を核として、豊かな人間性を持った、芸術文化と地域社会の担い手育成に努め、太鼓をはじめとする伝統芸能や地域をフィールドとした体験学習の提供を通じ、鼓童が培ったノウハウを次の世代へ伝えていく場づくりを行います。

研修および体験学習を通じた担い手育成

【具体例】
自然との関わりの中で恵みを受ける喜び、共同作業を通して感じる助け合いの心は、都会生活では学ぶことのできない、豊かで貴重な時間。

鼓童文化財団研修所

地域資源を活用した地域活性化

鼓童の拠点である佐渡・小木地域から始めながら、さらに佐渡全島に広げ、観光振興、特産品開発、町並み保全・活用、廃校活用などを、住民の方々や行政と協働して取り組むとともに、旅行業を活用した新たな佐渡観光づくりを推進します。

地域資源を活用した地域活性化

【具体例】
「岬太鼓」の練習は2011年に廃校となった旧深浦小学校の体育館を活用して行われ、閉校後も地域の芸能としての取り組みが続けられている。

国際的な文化交流の場づくり

アース・セレブレーション(EC)の運営、KASA(鼓童と北米の太鼓関係者が設立した非営利団体)や北米太鼓会議への協力、また海外の太鼓グループとの交流を通じ、より多くの外国の方々に佐渡を訪ねてもらい、国際的な文化交流の場づくりを行います。

国際的な文化交流の場づくり

【具体例】
研修所に様々な国から集まった参加者を受け入れ、研修生と生活を共にしながら、鼓童のメンバーの指導により笛や太鼓、踊りを学ぶ。

アース・セレブレーション(EC)

KASA(鼓童と北米の太鼓関係者が設立した非営利団体)

北米太鼓会議

鼓童